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一話:転生

 会社行って家帰って寝て、また会社行って。


 彼女はいないし、趣味もなし。


 生きてて楽しくないってのが本音。


 今日も一人の帰り道。意識もぼんやりとトボトボ歩く。


 「───ぶねぇぞ!」


 「へ?」


 誰かが叫んだ声がしたけれど俺の意識は明るいライトの中に薄れて消えた─────



---


 目が覚めたら絶世の美女が目の前に。何を言ってるんだって思う人もいるかもしれないけど、実際に目の前にいるのだから仕方ない。


 っていうか何で俺はこんな所にいるんだ?


 自分の記憶を辿ってみると、眩い光に飲まれたと思ったらこの場所にいたのだ。


 眩い光……ライトか?ライトってことはもしかして俺、車に轢かれたのか?


 そう言えば何か叫んでる人もいた気がするし……


 まじか……じゃあ、もしかしてここは病院?


 目の前にいる人は看護師さんかな?


 取り敢えず状況を聞いてみよう。


 「ああー、うー、うー」


 え?もしかして声出せなくなってる?


 ハァー、最悪だ。事故の障害のせいか手足も自由に動かせないし。


 て言うか何でこの人俺の頭を撫でてニコニコしてんの?


 慰めてるつもりか?あ、でも、ちょっと気持ちいいかも。


 更に軽々と俺の事を抱き上げて撫で始めやがった。俺の体重は75㎏は有るのにこんな細腕の女性に持ち上げられるのか?


 身長も180は有った筈なのに、今は女性の腕の中にすっぽりと収まっている。


 もしかして……四肢欠損?いや、違う。なんていうか、こう……某名探偵みたいに身体が縮んでる気がする。


 何から何まで不思議な事だらけだ。一体俺はどうなってしまってるんだ?


---


 あれから数ヶ月が経って様々な事が判明した。


 まずここは病院では無かった。いや、病院並みの広さはあるが病院では無かった。なんていうか……城だった。


 あの部屋から連れ出されて辺りを観察する内に、どことなくゲームに出てくる城のような造りだと思い始めた。


 多過ぎる部屋、装飾の施された柱や壁、大きな扉、沢山のメイド服を着た人?達。


 動物の耳や尻尾を生やしたコスプレみたいな人から顔がそのまんま動物みたいな人。角が生えていたり、肌が青かったり赤かったり、下半身が蜘蛛の人?まで居て混乱した。


 っていうか気絶したのは覚えてる。これは夢じゃないかって密かに期待してみたけど駄目だった。


 目が覚めたら目の前に複眼があった時の恐怖はきっと分かり合えないと思うわ。それでもう一回気絶したしね。


 そして俺は赤ん坊に生まれ変わっていた。偶然鏡を見る機会があって赤ん坊だって判明した。こういうのって転生って言うんだっけ?でも記憶を持ったまま転生っていうのも不思議だ。


 普段は柵に囲われたベビーベッドで寝てるんだけどたまにお出掛けに連れて行ってもらえる。


 それで城っぽいだとかメイド服着た人?を発見出来たわけ。


 ちょっと夢か確かめる為に柵に頭を思いっ切りぶつけたらめっちゃ痛かった。


 年甲斐もなく泣き叫んだね。周りにいた人?達も大慌てで迷惑掛けて申し訳なく思ってる。


 でもこれで現実だって認識が出来た。それと同時にワクワクも止まらない。


 だって知らない事が沢山あるんだぜ?あの会社行って家で寝るだけの無色な生活よりも断然良い。童心に返ったって言えば良いのかな。


 そんなこんなで色々あったけど俺はこの世界で頑張っていこうと思う!

 


 

 

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