異世界転生してチヤホヤされたい
よし、死ぬか。
来世こそは異世界転生して、俺にしか描けない最高の世界に行ってやるのだ。
高校2年、年齢17にして、俺はそう決意した。
だってマジつまんねーんだもんこの世界。
毎日毎日行きたくもない学校に行っては、リア充どもの陰で肩身の狭い学園生活? フッ、馬鹿な!
俺はチヤホヤされたいのだ。
俺が生きたかった世界はこんなドブのような世界ではない。
「わあ、葛原くん、すごい! 好き!」って、美少女に言われたいのだ。
なぜそうならない。
そうならないのは俺に何の才能もないから。とか言ったやつがいれば殺す。
まあ、確かに俺には秀でた才能はないかもしれない。
だが!
自分で言うのもあれだが、俺には弱点がない。なんでも卒なくこなせる俺が評価されないのは明らかにおかしい。
これはもう、確実に世界が悪い。俺は悪くない。間違いない。
よし、そうと決まれば早速安産祈願ならぬ、安死祈願だ。
でも、神社行くのめんどくせーな。まあ、仏壇でいっか。
パンパン!
家の仏壇に座って、大きく二拍手。
そして祈りを捧げる。
「俺、今から一瞬そっちに逝きます。俺を異世界転生させてください。あと、転生の詳細は俺に決めさせてください。それから、迎えはじいちゃんじゃなくて、できれば女神がいいです。美少女の」
俺はそれだけ言うと、マンションの7階から、ふらっと飛んだ。