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第二話 守護霊さん

 仕事で失敗した。

 どう解決したら良いのか、全然、分からない。

 周りは、「気にするな、誰だってある」と慰めてくれるが自分のミスだ。なんとかしなければ……


 そんな俺を見かねた先輩が飲みに連れてってくれたが、もともと酒に強い俺は、いくら飲んでも酔わない隣で先輩が潰れた。


 どこに住んでいるのか知らないから、担いで俺の部屋に連れて行き泊めることに。

 布団を二つ敷き、その一つにスーツ姿の先輩を転がして、俺も隣の布団に入ったのだが仕事のことが頭から離れない。


 ーー守護霊さんにでも頼んでみるか……


 子供の頃に何かで読んだことのある話を、ずっと忘れていたはずが不思議と思い出していた。

 どうしようもない程に困ったことになった時、眠る間際に守護霊さんにお願いすると良いらしい。


 確か、仰向けに寝て、両手をヘソの少し下あたりに置いて、頭を向ける方角は……忘れた。きっと、どうでもいい。

 何度か心の中で呼びかけるはず。そして、困っている事を説明して……あれ? それからどうだった? まぁ、いいや。


 誰かに起こされ目が開いた。すると、目の前に男の人の顔がアップであって叫びそうになった。いや、実際に叫んだかもしれない。


「おい……この部屋……ヤバイって」

「え……あ〜〜先輩……脅かさないでくださいよ、心臓、止まりかけた」

「……女が来た」

「はい?」


 先輩曰く、突然、目が覚め、何かの気配に気付き隣を見ると、枕元に女が立っていたそうだ。驚いて俺を起こそうとしたが、振り返ると消えていたらしい。


「え〜〜〜? なら寝ぼけたんでしょ」

「ああ、俺もそう思って眠たんだが、さっきまた来た」


 そうか、俺の守護霊さんって女なのか。でも、なんでそっちに行ったんだろうと考えている内に眠ってしまった俺を再び起こした先輩が言う。


「おい、ちょっと……なんで眠るのよ? ヤバイだろ」


 数日後、仕事の問題はウソのように片付いた。



 守護霊さんーー完

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