生きるに難し
ない者から奪われていく
すっからかんの
筋になっても
まだ、だしは出るだろうと
粉末になっても
まだここに在るならと
奪われていく
有る者はTシャツを着て
未来を次から次へ
こちらに寄越して
奇跡でも見せるかのように
誇らしく微笑む
あきらめないで
必死に生きることの
かなしさよ
生きることは恵みなのか
罰なのか
もうわからない
死へと向かっても
ニュースにもならない
恨み節を拾う者などいない
何千の舌打ちが聞こえるだけ
希望も夢もいりません
せめて
ああ、これでも生きていてよかったのだ
と思える瞬間を