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浪人詩集  作者: 屯田水鏡
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浪人詩集(4)

浪人詩集(4)


13.校庭


雨のようやく上がった午後でした

紫陽花の花は重そうにその体にたまった水滴を、一つ一つ落としていました

花園の側の水たまり日はあめんぼうが二匹

水の上をすべるように素早く動いていました

日曜日の学校には誰もいませんでした

誰かが閉め忘れたのか二階の窓が一つだけ開いて

白いカーテンが見えていました

もう一度紫陽花の花に目を移した時、私はその根元に悲しいものを見ました

一匹のあまがえるが白い腹を見せて死んでいたのです

その体に紫陽花の花から水滴が落ちかかっていました

その水滴はかえるの体の泥を洗い流していました

風が吹いたのでしょうか花は少し揺れました

そして、しずくをぽたぽたと死体の上に落としました

花は泣いているのでしょうか・・・・・

あめんぼうは、相変わらず落ち着かなく動いていました

私はぼんやりとこの二つの光景を見つめていました

雨の漸く上がった日曜日の校庭の片隅でした


※私は手直ししたい気持ちを抑えて、ひどい誤字脱字以外は、直さずにそのまま転記している。二つの光景とは、どれとどれなのか、分からない。こんなに気取った感傷的なことが良くも書けたものだ。飢えていて、頭の中は淫らな妄想に耽っていた時期である。「男はみんな狼よ」という人がいるが、その通りである。同時に、僕にとって、いかに自分を制御できるかを学ぶときでもあった。


14.あなた


ああ、あなたでしたか私の側にいたのは

やっぱりあなたでしたか私が見たのは

でもなぜ私に声をかけて下さらなかったのですか

ああわかりました、私が考え込んでいたからですね

私が気難しそうに眉をひそめていたからですね

でも・・・・・


※良く意味が分からない。この頃、飢えているくせに、女性と話すとすぐに赤面する自分が情けなかった。

電車のつり革を持っていると、目の前に座って本を読んでいる若い女性の胸の谷間がちらりと見えると、すぐに股間が大きくなって、それを女性に見られている様な気がして、目的地の前の駅で降りた記憶がある。

※もしも、当時の私と同じようなことに悩んでいる若者がいるとしたら、一言進言しよう。

 この現象は、何にも恥ずかしいことではないのである。むしろ、ごく健康な証拠なのだ。そして、生命力に溢れている喜ぶべきことなのだ。

 今の私の年齢になると、固くなることも、大きくなることも、ほぼ、無い。

 それどころか、小用をする時、小さくなっているので、探すのに大変なんだから。


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