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浪人詩集  作者: 屯田水鏡
38/48

浪人詩集(38)

浪人詩集(38)


126.いやになる


空、光、雲

嫌になる

遠いところに行きたい

嫌になる

弄んではいけない

正義、常識、体裁、虚偽

宗教、慰め

自分、無、有、生、夢

嫌になる


※理解の外。


127.稚拙な金言、格言、箴言


本当の苦労を知らない人ほど苦しむ

幸福な人ほど自分を不幸だと思う


人類の願いはみんな平等になること

そして自分だけがその上に立つこと


精神的にしろ、金銭的にしろ

苦労をしたことのない人は

生きていることの大切さを知らずに死んでしまう


私は、目が悪くなってはじめて、目の大切さを知った

目の良い時分には近視眼に憧れていた


自分の才能の無さを知って自分より才能のある人を妬み

その人が自分を笑っているのではないかと憎む

そのくせ、自分より才能の無い人を馬鹿にする


一流大学とか二流大学とか言うのを非常に嫌うくせに

自分は一流と言われる大学に行きたくてたまらない

そして、僕なんか大して頭は良くないのですよと言うことを

夢見る


もしも君が難しい質問をされたならば、素直に

分りません、と答えなさい

その時人は、君のことを人格者だと思うでしょう

なまじっかの知ったかぶりは破滅の元です

本当に難問ならば質問者にも分からないのが当然だから


もし君が全勝の人と戦うのなら全力を尽くしたまえ

もし君が全敗の人と戦うならば速やかに逃げたまえ

前者には相手に油断があるし

後者には君に油断がある


すぐにとまる時計は捨て給え

同様に進歩の無い人間は捨てられたも同然である


魅力は、それ自身ではすぐに飽きられる

それを人格にまで高めたら永遠である


※ひよっこのたわごと、言わぬが花。


128.雨


梅雨のじっとりとした脂っこい雨に

ギターの音色が溶け込むと、そこに幻の君がいる

君は緑の芝生に寝そべって

その真赤な唇で呟いている、何だって

苦しみ、鮮血、死、え、何だって

アルコールの中にビン一杯の赤いインキを流し込んだ

一面の灰色の空、僕は一本の煙草に命を託して

恐怖の笑いを満面に湛えた


129.ノスタルジア


日光、月光、空、雲

何も見えない

くたばっちまえ

ノスタルジア

ノスタルジア

犬の目は紫

猫の目は青

ノスタルジア

ノスタルジア

日輪が見える

修羅が見える

美しい

くたばっちまえ

ノスタルジア

ノスタルジア

僕の未来は無い

君の二来は無い

あるのはただ

ノスタルジア

ノスタルジア

くたばっちまえ


※五里霧中。


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