浪人詩集(29)
浪人詩集(29)
107.悩みかい
悩みかい?
夏のカンカン照りにようく体を焼いて
一皮むけばすっきりするさ
プラトン的エロス?何だい、それは
いくら木の上で逆立ちしたってだめさ
だって君は、生きているんだぜ
ああ、暑い
108.君は
君は海が好きか?
君は青空が好きか?
君は花が好きか?
君は鳥が好きか?
君は雲が好きか?
君は歌が好きか?
君は口笛が好きか?
君はそよ風が好きか?
それなら君は自分の血を呪っている人がいることを知っているか?
※何なんでしょうかね。きっと何かに憤りを覚えたのだと思います。
109.俺の育った
俺の育ったあの丘は、何時も風が吹いていた
俺の育ったあの海は、岩も裂けよと荒れていた
俺の育ったあの村に、花を一輪投げかけて、遠い旅路に出で立ちぬ
遥か異国の空の下、今も心に浮かぶのは、甘く切なくほろ苦い
しみじみと、しみじみと、見やれば、故郷は
赤い夕陽に濡れている
夕焼け雲にひらひらと、なぜに悲しや、白い蝶、あてもなく、海をさ迷う
赤ちゃんは楽しい、いつも泣くか笑うかだ、その中間が無い
人生は悲しきものか、故郷にいて、故郷にいず、夕日の丘を、流れさすらう
俗世に染まりし我ならば、恐ろしきかな、黙りいる
※盛んに故郷のことを懐かしげに書いている。僕は、当初、大学へは、自宅から通っていた。前に話した通り、大学に行き着く前に、途中下車して、別の大学で児童文学研究会に参加したり、乗換駅近くのパチンコ店で、遊んだりしたので、これはいかんと、意を決して、下宿を始めたのであるが。
ふるさとは、列車で、二時間で帰れるところである。懐かしむほどの遠さではなかった。
110.博多小女郎
博多夜船に提灯下げて、雨の那珂川流れゆく
可愛いその身はあで姿、岸の柳が泣いている
あわれつぼみに口紅付けて、博多小女郎帯を解く
※理不尽な状況におかれている女性に魅力を感じるのは如何であろうか、と思わないではない。
男女共同参画の立場から言えば、セクハラである。
しかし、セクシャルハラスメントは、受ける方の感じ方で大きく異なるものである。
僕やあなたが{これは、あなたまで巻き込んで、失礼}素敵だと思う女性を抱き寄せれば、破廉恥な犯罪である。
ところが、好きな男から、突然、引き寄せられて、キスされても、訴えることはせず、もっとして欲しいと思う。
これは何なのだ、恋愛こそが、最大のセクハラではないか、これは差別だ。
この様に、世の中は、理不尽なことが多い。
だが、我々は、この不条理で摩訶不思議な世のなかで生きていくしかないのだ。
若者よ、ゲーテの「若き飢えているの悩み」なんかは読まなくてよい。
「精力善用」を実践するのだ。
むかし、姿三四郎や柔道一直線と言ったテレビ映画があったが、その中で、柔道の聖地、講道館には「精力善用」とい文字が掲げてある場面を良く見かけた。
まさに、それなのだ。
若者よ、したいという気持ちを抑えずに、それを、勉学やスポーツに振り向けるのだ。
余ったら、トイレや風呂で出せばよい。
その点で、「精力善用」はフロイトのリビドー理論と同じで、偉大である。
ところで、何を言いたかったのか忘れてしまった。