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浪人詩集  作者: 屯田水鏡
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浪人詩集(17)

浪人詩集(17)


65.浜辺にて


タメちゃんとサダとヤスとケンと俺と、浜辺でいもを焼いた

タメちゃんとサダとヤスとケンと俺と、浜辺でいもを食った

サダとヤスが、寝そべってふざけ合っているアベックの周りで

砂を掛け合って喜んだ

ガキとジャリが二人で、波打ち際で、文字を書いていた

タメちゃんとサダとヤスとケンと俺は、いもを、熱いいもを

ポンポンたたいて、ふうふういって、パクパク、ポロポロ

食った、食った

それがけが真実で、世の中だった

されに付け加えれば、紫の海は、でっかく広がり、空と言えば

三万カラットのダイヤモンドを、一個、ポトンっと置いた

あおい、あおい、絨毯だった


※このいもは、近くの畑から、黙って、断りもなく、もらった

ものであった。

当時は、黙ってもらうには、一定のルールがあった。

農家が大切に育てた、いも、であるから、いもづるを、引っこ抜

いてはいけない。畝の横から、そっと掘って、いもだけを頂く、

そうすれば、お百姓さんは、そこだけが、育ちが悪かったのだと

思うからである。


66.嘘その他


私は、生まれてから今まで、一度も嘘を吐いた音がありません

本当です、と、嘘つきじじいが言いました


大草原のイタチが見たものは青い空と白い雲

ああ、サマルカンド、我らの夢よ

ああ、サマルカンド、地の果ての焼けよ


親すずめ、子すずめ、孫すずめ、ひ孫すずめ、みんな鳴いた

親すずめチュン、子すずめチュン

孫すずめチュン、ひ孫すずめチュン


いぬ年生まれの、くまさんが、猫なで声を出しました


思惟の実の臭いを嗅いで、秋深し


※何なんだ、これは、記憶がない


67.流星


我は昨日、一群の流星を見たり

時あたかも神無月、満月、子の刻、光煌々と天地無辺を照らし出し

全天の星は、幾百満、雄大なリ、ゴーというすさまじき音に振り返れば

驚くなかれ、西天の一角より、稲妻の如く押し寄せる流星あり

あるは黄、あるは青、あるは血の如き紅あり、災いの前兆なるか

ああ、天地の終焉、いな、万人の終末なるべし

夢であれかし、幻であれかし、いな、夢に非ず、幻に非ず

流星、今まさに、我が弱小なる、国に落ちんとす

秋風、一時、我が頬を吹き抜け、我、一瞬の瞬きをなしたり

一群の流星、月の元にて、忽然ときえたり

ああ、これ、我が祖国の危機を告げし前兆に非ずして何ぞや

急ぎ、人に語り、告げるも、笑って、我を愚と謂えリ

ああ、知るは、我と月と、あの雄大な空のみ


※多分、漢文の練習をしていたのだろう。


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