うなぎの話
うなぎ自体は古代ローマでも食べられていたと言う話が残されていたみたいです
結構古くから食べられていたようですが、現在ではほとんど日本でしか食べられていません
考えてみると、細長くてヌルヌルしたものは食べられるか食べられないかじゃなくて、食べたくないと言う気持ちになるからだと思われます。(例えば、ミミズ、ヒル、回虫など)。また、宗教上の理由、ウロコが無い魚は食べちゃだめとか(実際にはうなぎにもウロコはありますが、見えないだけで)
実際にうなぎを日本以外で食べているところでは、ぶつ切りにして煮込んでいます。(多分不味い)
日本では、うな丼が発明されたのが、文化年間(1804 - 1818年)江戸日本橋堺町で芝居の金方だった大久保今助という人物が芝居小屋でうな丼を売り始めたことが始まりだとされています
うなぎ自体だけを食べるより、ご飯と一緒に食べた方が美味しい。それが広まった原因のような気がします
少し離れますが、「さばサンド」トルコ・イスタンブール名物。焼き鯖を塩レモンでいただくサンドイッチ。これもパンと一緒に食べると美味しくなるから食べられ続けているのだと思います。(うなぎサンドは試したことがないです)
元に戻って、うなぎの調理ですが、背開きにして一度白焼きしたものを蒸してから再び焼くのが関東風。淡白で柔らかい。腹開きにして蒸さずに焼くのが関西風。パリッとして香ばしいのが特徴
一度蒸すのは脂を適度に落とすのが目的だと思われます。どちらが上とかじゃなくて好みの問題だと思います
ただ、愛知県豊田市足助町の観光ガイドとかで紹介されている○安と言うお店で鰻重を食べた時(関西風)、なんか美味しくなかったですけれど原因がわかりませんでした。それで別の日にまた鰻重を食べに行ったのですが、美味しく感じられなかった原因がわかりました。うなぎの表面が焦げて炭になっていました。香ばしいと言うのは炭だったのです。蒸さないで、そのまま焼くと脂が焦げやすいので香ばしいから炭にになります。この辺りの見極めが難しかったのでは無かったのでしょうか?多分、最高到達点ではどちらも同じくらいだと思いますが、途中の熟練度が不足しているあたりでは関西風は難しいのではないでしょうか。関東風は脂を落としているので失敗が少ない感じです
うなぎの生態はわかっていない部分が多いですが、産卵場所とは、日本の沿岸から約2,500kmの海を隔てた、西マリアナ海嶺付近だと言われています。うなぎの養殖はここで生まれたうなぎの稚魚が川を遡るとき、この時はまだ「シラスウナギ」と言う段階で大きめのプランクトンと言った感じですが、このシラスウナギを捕獲して養殖場へ持っていき大きくして出荷すると言う風になります。日本で養殖しているのはニホンウナギと言う種類です。一方、中国産の安いウナギはヨーロッパウナギだそうです。ニホンウナギもヨーロッパウナギも「ワシントン条約」で規制の対象になっているようです。まあ、日本人以外は食べないので簡単に規制されちゃいます(南氷洋のミンククジラも同様に日本人以外食べないので規制されています)
あと、うなぎはヌルヌルしていますが、粘膜に覆われているせいです。このため皮膚呼吸が可能になり、地上をある程度移動出来ます。聞いた話ですが、養殖場でうなぎと鮎を別々に養殖していたのですが、気が付いたらうなぎしかいなくなっていた。
五島列島の福江島の港で釣りをしていたら、うなぎが釣れたことがあります。釣り上げた際、クネクネ絡まって糸を切らないと針が外せませんでした。まあ、海ではあまりうなぎは釣りません。川だと竹筒に餌を入れて一晩放置すると竹筒の中にうなぎが入っていると言う感じで捕まえることが多いです
日本以外で食べられないのは気持ちが悪いから以外に処理が難しいこともあるのではないかと思います。一般論になりますが、白身の魚は環境に応じて味が変わります。綺麗なところにいる白身の魚は美味しくて、同じ種類の白身の魚でも汚いところにいたやつは大抵不味い。うなぎは大抵汚いところにいるので、うなぎ屋さんでは綺麗な水に移し替えて身から汚いものが抜けてから調理する。こんなめんどくさいことは日本人以外、あんまりやらないと思います
うなぎは醤油と味醂で作ったタレに焼いたうなぎを漬け、繰り返し漬けることでタレの中にうなぎのエキスを染み込ませてタレを完成させて行きます。このタレを使って蒲焼を作ってご飯に乗せて完成させます。前述したように文化年間にうな丼は出来ました。何というか、うなぎは開いて焼いてタレに漬けてさらに焼いてといったプロセスを通らなければ美味しくないのではないかと思います。醤油や味醂は発酵させた物なので美味しく感じるかは人それぞれです。日本人でも1〜2割はうなぎを食べられないみたいです。日本人以外だと食べず嫌いだけではなく味のせいで食べられないかもしれません
以上、うなぎの話でした