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龍つかいの憂鬱  作者: 河辺 螢
龍の国の龍つかいと、龍つかいにつかえる龍
29/49

4-3

 式の一週間前にはドラゴネッティに到着できるように家の仕事も兄に引き継ぎ、準備はOK。

 ルヴェインがうちの国の王様から呼び出しを受け、私も同席することになった。王様が一度私を見てみたいとのこと。

 知らない間に私用のドレスが家にあった。ドラゴネッティで用意してもらってたのと違って、色も落ち着いた若葉色でひだが少なくて裾も広がりすぎない。飾りもシンプルで結構好きな感じ。サイズもちょうどいい。ルヴェインが用意してくれたのかな。


 私のような一市民が王様にお会いするなんてまずあり得ないことで恐縮至極だったのだけど、にこやかに迎えられ、歓迎されているのを感じた。

「いつも夫君には大変世話になっておる。かように才色兼備の夫を持たれては、気苦労も絶えないだろう」

 はい、ここに来るまでも城内で数名の方々に振り返られ、余計な付録として冷たい視線を浴びてました、…なんてことを言う訳にもいかず、とりあえずは笑顔でごまかした。

「我が王家もドラゴネッティの祝いの席に呼ばれており、王子が出席することになっておる。ルヴェイン殿のたっての希望があり、今回うちの王子の護衛としてドラゴネッティに同行してもらうことになった」

「えっ?」

 驚いてルヴェインを見ても、それが何だという反応。当然のように振る舞ってる。

「ランツェッタ子爵として王子と共に入国するが、護衛は入城まで。現地では自由にしてもらって構わない」

 夫、こんなところにまで手を回したか。

「じゃ、現地集合…?」

「予定通りルドキアまでおまえを送った後、王子と合流し、ルドールの護衛として入国する。どのみち城の連中もルドキアで一泊するからな」

「そんな、わがまま放題…」

 ずいぶん手間をかけて…。そんなに私のことが心配…なんだろうな。

「いつも世話になってばかりでは気が引けるものだ。こんな時くらい頼ってくれて構わんよ」

 王様、太っ腹すぎる。実際お腹周りは充実しているご様子ながら。

「言葉に甘えさせてもらう。礼を言う」

 ルヴェインさん、王様に対して話し方が…。

「できれば行ったきりにならんことを願っているよ」

「ああ、そうありたいものだ」

 話し方がラフすぎるんですけど??

 ルヴェインが敬語使うのって、うちの両親に対してだけ??

 王族同士とはいえ、片や一国の王、片や追放中の一王族ですよ? もうちょっと敬意を持った話し方ってのがあるんじゃないかなぁ。王様も全然気にしてそうにないけど。

「是非ご夫婦仲良く、無事に帰国することを願っておる」

 王様の視線は明らかに私に向けられていて、これは夫をちゃんと連れて帰ってね、というお願いに違いない。

 確かに、ルヴェインがこの国に戻るかどうかは私にかかっていると言っても過言ではない、かもしれないけれど、さあ、どうなることやら。


 帰りに騎龍隊の本部にも寄って、ごあいさつをした。

「いつも夫がお世話になっております」

 なんて言ったら、みんなびっくりしてた。このちんちくりんで普通過ぎる私がルヴェインの嫁というのはどうしても連想できないらしい。おほほほほ。

 かつてうちにいて第三王子のものになった、私がお世話するはずだった卵から生まれた龍にも会えた。もちろん向こうは私のことは知らない。

 第三王子は龍のお世話なんて滅多にせず、儀式や遠出するときにちょっと乗るくらい。おいしいものをたくさん食べさせてもらっているのか、王子の龍はちょっと丸っこかった。飛んでもあまり速度が出そうになく、王子も安全に乗れるね。

 ルヴェインを見てちょっとビビっていた。もしかしたらこの子もルヴェインにしごかれているのかもしれない。しごき甲斐ありそう。


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