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ミッションコード:0Z《ゼロゼット》  作者: くろえ
レディ・リーベンゾル
402/403

余談:未来を育む森の、唄???

「 ウキャキャ! ウッキーーーー!!!」


 ボコッ!!!


「起きんかい、ゴルァ!!!」と、言ったところだろうか。

深い眠りについていたマイキーは、突然ど突かれ 覚醒 した。

どうやら顔を蹴られたようだ。右の頬が少々痛い。しかも飛び起きるなり体がきしみ、関節がミシミシ音を立てた。


「えっ!? 何?! 何なのコレ、ちょっと!!?」


慌てて辺りをグルリと見回す。

全く知らない場所だった。シュウバイツ宇宙空港の特別室とは比べ物にならない、酷く質素で粗末な部屋の中。

その中央に置かれた木箱に自分がすっぽり収まっている。

周りには一見土木作業員と見間違う 男達 が大勢いた。彼らは興味津々でマイキーを眺め、重機やガラクタの上に座って思い思いにくつろいでいる。

空気の匂いも複雑だった。息苦しいほど湿気を含み、植物や土が交じり合った濃厚な匂いに 思わずウッとむせ返る。

しかも・・・。


「えぇ?! サ、サル??!」

「ウキ! ウッキャッキャーーー!!!」


尻尾の先が縮れた子ザルが 馬乗りになってはしゃいでいる。

鼻を抓まれ髪引っ張られ、マイキーは散々オモチャにされた。


「 はっはぁ!♪ やっぱり アイツ の仕業だよ!」


傍に佇み 手紙らしきものを読んでた 初老の男が突然叫ぶ。

彼は心底楽しそうに、陽気な笑顔で振り向いた。


「 あの悪趣味な服着た金髪の小僧だ。

最高だ!コイツ(マイキー)の面倒見る代わりに ジョボレットが俺達の活動、支援してくれるとよ!」


どっと哄笑が沸き起こった。

土木作業員風の男達が皆、腹を抱えて体を揺する。


「やっぱりか! こんなマネするのぁアイツしか居ねぇと思ってたぜ!」

「ぶったまげた! いきなり空から『毎度! ジョボレットでーす!』だもんなぁ!」

「地球連邦政府軍が手ぇ退いてからこっち、誰でもここに来れるもんな。

でも、ジョボレットが 人 運んでくるたぁ思わんかった!」

「兄ちゃん、アンタえらい奴と関わったなぁ! 俺たちゃすっげぇ助かるけどよ♪」


何が何だかわからない。

ただポカンと目を見張るマイキーに、手紙を読んでいた初老の男が面白そうに破顔する。


「 ナジャ へようこそ、三品野郎!」


初老の男= ラモス が、子ザルを抱き上げ陽気に告げた!


「植林、動物保護、治水工事。ここじゃ常に人手不足だ。しっかり働いてもらうからな。

かなりしんどい仕事ばかりだが、土星強制収容所(極悪人の墓場)よりゃよっぽどマシさ。

何より密林(ジャングル)再生っつぅやり甲斐があるんだ、これ以上の仕事はないだろう?♪」


「・・・。」

マイキーの愉快な顔から血の気が一気に引いていく。

そして、自分に起こったことの全てを一瞬にして理解した。

ナムは、気絶したマイキーをジョボレットの超・特急配達便で ナジャ に送り込んだのだ。

しかもジョボレットの支援まで取り付けている。これでもう逃げられない。潤沢な支援を受けられるならば、ラモス達は大喜びでお世話(・・・)をしてくれるだろう。

「ンギャ、ウキャキャ♪」

子ザル=ティモシーが、ラモスの腕からピョンと飛び降り、ポン! とマイキーの肩を叩く。


( お前、今日から俺の手下ね♪)


「 ・・・い”や”あ”ああぁぁぁーーーーーっっっ!!! 」


マイキーは天を仰いで絶叫した!

その雄たけびに驚いた 森の動物達 が、種を超え一斉に咆哮する。

鳥の声、獣の声、虫の声、水辺や湿地に住む爬虫類の声。

気高く個性的な 唄 が 高く遠く響く様子はまるで、愉快な顔した新しい仲間を歓迎しているようだった。

この章、終了になります。

お読みいただいた方、本当にありがとうございました。

心から 感謝 です!!!

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