第十一話 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん
Rは世界一美しい姫様の名前を決めるために、「名前サイコロ」、というものを作った。これにはエネルギーが、2ポイントかかった。
(これをふると、いろんな名前が適当につけられて表示されるの)
(適当……、ランダムということだな)
(うん……。えい!)
ころり……、マハル
(うーん……、イマイチだね) Rはころころとサイコロを振り続けた。
ころり……、アイス
ころり……、ナイル
ころり……、キルク
ころり……、ネイ
ころり……、ハミ
ころり……、マユミ
ころり……、アネア
ころり……、ミュ
ころり……、ニイタ
ころり……、ハアロ
ころり……、チル
ころり……、レニ
ころり……、マイ
ころり……、シヒロ
ころり……、オルア
ころり……、ホニョ
ころり……、チノセ
ころり……、ミコン
ころり……、ルナ
ころり……、アン
ころり……、ノン
ころり……、セーラ
ころり……、ユキ
ころり……、ミオ
(決めた、ミコンにするよ)
(まあ……、悪くはないが……。どういう理由で?)
(『アンノ』と『ミコン』で、『アンノトミコン』。ネクロノミコンみたいで、かっこいいよね)
そんな理由か!! それよりなぜRがネクロノミコンを知ってる!? とMは驚愕した。
その時……。
(Mさん?)
(ん?)
(今ね……。ある港町でね、何か不気味なものが生まれたの……)
(え? どういうものだ?)
(それはね、こう言ってるよ、
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん)
(な!! クトゥルフ、だと???) Mは白目をむいた。
(クトゥルフ? なんだか知らないけど、楽しくなってきたね!!)
Rの片目がぎらぎらと赤く光った。




