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失った思い出  作者: ういもと
第1章 真輝の物語
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5話 買い物

そんなことを考えながら着いたのはこの辺で一番大きな駅だ。


数多くのお店やショッピングセンターが広がり大勢の人々で賑わっている。


特に今は夏休みのためいつもより若者で賑わっていた。


「気になったところあったら入って良いよ」


女の子の服なんてわからない僕は後ろからついて行く形をとる。


しばらく広いショッピングセンター内を後ろから付いていると僕のいる意味が分からなくなるのと同時に空虚になる。


何か話しかければいいのだが、あちこち目を移している奈穂にまともな話題がない僕は話しかけられなかった。


「あの、ここ見ていいですか」


ショッピングセンターを奈穂がうろうろと見ているとある店舗を指したので僕たちはその店舗に入った。


店内は若い女性向けの服が多く並んでいて、店内のマネキンも今風なおしゃれなファッションに身を包んでいた。


そんな店舗に慣れていない僕はそわそわしながら奈穂について行く。


奈穂は僕を気にしてないのか気になった服を手にとっては戻すということを繰り返していた。


その姿は普通の女子高校生だった。


「あの、試着しますか」


奈穂は店員に勧められるがまま試着室に気になった服を持って入って行った。


「どうですか」


「とってもお似合いですよ」


店員が営業スマイルで真っ先に答える。


「真輝はどう思いますか」


いない存在だと思われてると思っていたため、急に名前で呼ばれたため僕は驚き、すぐに言葉が出なかった。


しかししっかり奈穂の服装は見ていた。


膝ぐらいのシンプルなスカートとおとなしめの白のブラウスの服で清楚な感じが奈穂にとても似合っていた。


「似合っていると思うよ」


僕は多少時間を掛け、その言葉を口にすることができた。その間、奈穂は少し不安そうに僕のことを見ていた。


「ありがとうございます」


照れ臭そうに礼を言いながらカーテンを閉め、また着替えて感想を求めてくる。


そして僕も同じように感想を述べる。


それを何回か繰り返した後、試着室から出てきた。


最終的に奈穂は最初に試着した服が一番気に入ったようだったのでそれを買ってあげた。


さらに1枚だけじゃ少ないと思い、他の店舗も周り複数着購入する。


「すみません、買ってもらっちゃって」


「大丈夫だよ、これくらい」


購入した商品を僕は持ち、少しこの言葉はカッコつけかなと自惚れる。

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