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失った思い出  作者: ういもと
第2章 奈穂の物語
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16話 夕食

家に戻ったお兄ちゃんは着替えもせずにキッチンに向かった。


「何か手伝いましょうか」


買ってきた袋から材料を取り出しているお兄ちゃんに話しかける。


「じゃあ、パスタ茹でてくれない?」


その指示の通り鍋に火をつけ、パスタの袋を開ける。そして沸騰するのを待つ。


横ではお兄ちゃんがリズミカルにベーコンを刻んでいく。


「料理に関することって覚えてる?」


お兄ちゃんが次々と材料を刻みながら質問した。


「少し自信があって……」


お兄ちゃんが目の前で鮮やかに刻んでいく姿を見て妹としては負けられないと感じた。


「確かに、パスタ茹でられるからそうかもね」


お兄ちゃんは私のことを甘く見ているのかそんな発言をした。


「他にもできますよ、おやつだって作れます」


私でもよくわからないが、意地を張った発言をしてしまい恥ずかしくなる。


「じゃあ、玉ねぎ炒めてくれる?」


お兄ちゃんの発言はやはり私のことをなめていた。


「それ、あんまり変わってないですよね」


そのためお兄ちゃんの発言につい突っ込んでしまった。そんな自然な会話が楽しくて自然と笑みが漏れた。


「後は半熟玉子を乗せて……できた!」


私はお兄ちゃんとの料理が楽しくて自然体になってしまい、恥ずかしく感じた。


「えーと、久美子さんが帰宅してから食べますか?」


私は話題をそらして誤魔化した。


「先食べよっか」


お兄ちゃんの言葉通り向かい合って食べる。

お兄ちゃんの前ということで音を立てないことを意識する。


お兄ちゃんも音を立てないで食べようとしたのかむせる。それが恥ずかしかったのか途端に赤くなる。


その姿はとても可愛かった。



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