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15話 好みの一致
「少し、休もうか」
その言葉でショッピングセンターの屋上にある庭園に移る。
「気持ちいい」
お兄ちゃんが扉を開けた瞬間、夏の涼しい風が私を包んだ。
そのまま進み、街の様子を眺める。
自然と彷徨っていた道順に沿って視線が動く。
こんな場所を通って来たのね……
そこはどこまでもコンクリートのビルやマンションが広がっていた。
その通ってきた道が永遠に続いているようにあの時は感じたが、全体を見るとそうでもなかった。
そんなことを考えていたためかなりの時間ぼんやりしていた。
しかし、お兄ちゃんは気にすることなく、食品売り場で夕飯を買いに行くことになった。
「今日の夕飯何か食べたいものがある?」
食品売り場で何にしようか悩んでいるようで私に委ねる。
私は庭園で街の様子を見て不安だったあの出来事を思い出して無意識にお兄ちゃんに甘える。
「パスタでもいいですか」
「ソースは何がいい?」
お兄ちゃんは嫌な顔せずにさらに質問する。
「カルボナーラが好きです」
「カルボナーラいいよね、半熟玉子と絡めて食べるのが好きなんだよね」
「私もです」
お兄ちゃんと味の好みが合い、私はお兄ちゃんに近づけた気がして安心した。




