14話 あの時の駅
電車に揺られること数分。
着いたのは来る途中にも通ったあの大きな駅ビルだった。
カラオケやショッピングセンター、おしゃれなお店やファミレスといった建物が立ち並び、昨日と変わらず若者で賑わっていた。
「気になったところあったら入っていいよ」
お兄ちゃんの言葉通りショッピングセンター内を巡り気になる店舗に入る。
そのお店には安くて可愛い服がいくつもあり私の好きなブランドだった。
その中からお兄ちゃんに私の服を選んで欲しかった。
そのため店内を回って、きになる服を何着か探して試着室に入る。
「どうですか」
その中から一番のお気に入りを着てカーテンを開ける。
しかしその問いに答えのは空気を読めない店員だった。
「真輝はどう思いますか」
恥ずかしかったが名前を呼んでお兄ちゃんの感想を求める。
本当はお兄ちゃんと呼びたいが今、それは許されないことだった。
「似合ってるよ」
その言葉を求めていたがいざその言葉を言われると恥ずかしい。
しかし、もっと言って欲しいと思い他の服も試着する。
しかし気に入ったのは最初の服だけでその服を買ってもらった。
そして他店舗も回り一週間分には十分なほど買ってもらった。




