19限 病院
過去の話を多少変えましたが大幅に展開は変えてないため読み返す必要はありません。
「奈穂、夕飯の材料買いに行くけど何か食べたいのある?」
「あ、私も行って色々見たいです」
奈穂がそう言ったため二人で今回は近くのスーパーに行こうとした。
しかし、電話が鳴り響く。パネルには母さんとあり、また胸に嫌な予感が広がり恐る恐る出る。
「真輝、すぐに病院に来て!」
叫ぶ母さんの声が間髪入れず飛び込んでくる。
「え、ど、どいうこと?」
状況が読めず混乱する。
「病院の場所は奈穂に聞いて」
そう言って一方的に切る。
「奈穂、母さんが病院の……」
病院という単語を聞くや否や奈穂が動揺する。
いつもの落ち着いた奈穂は消え、落ち着かない様子で出かける準備をする。
「ちょっと出てきます!」
僕のことを見ずに言い、ただ早く行くことしか頭にはなかったようだった。
僕のことも母さんは呼んでいたため急いで出て行った奈穂に僕もついて行く。
奈穂は外に出るなりタクシーを捕まえ、乗り込む。僕もそれに乗り込んだ。
奈穂がこの辺では一番大きな大学病院を運転手に伝え、発車した。
大学病院という単語と全く理解できない状況に頭が追いつかない。
ただならない状況だということだけは分かり、焦る気持ちでおかしくなりそうだった。




