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失った思い出  作者: ういもと
第1章 真輝の物語
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17話 真輝の涙

母さんが帰宅したのは23時だった。夜遅い時間の帰宅に母さんはひどく疲れているようだった。


どうしてか、訊きたいが、それを訊いてはいけないような雰囲気があった。


「ごめん、寝るね、奈穂はしばらく帰って来ないかもしれないから真輝も、もう寝な」


明るく言った言葉はひどく悲しげだった。


そしてそのまま母さんは自分の部屋に入っていったため僕も自分の部屋に入り、横になる。


何が起こったのか全くわからず不安だけが膨らむ。


ふと気づいたら僕は泣いていた。涙を止めようとすればするほどそれは溢れてくる。


奈穂……どうしたんだょ……


奈穂のことが頭から離れない。奈穂のことを考えれば考えるほど奈穂との思い出が次々に込み上げてきて涙で顔がクシャクシャになる。


初めて話した時は奈穂が泣いた。

今度は僕が泣いた。


あの時、なんで奈穂は泣いていたんだろう。ふと疑問に思うがあの時、奈穂はタオルケットで顔を隠して表情が分からなかった。


しかし、その後の奈穂の態度は悪いものではなかった。


そのことを思い出してさらに涙が溢れる。

奈穂と会って5日。たった5日だったがとても濃いものだった。


一緒に買い物して、一緒にカルボナーラを作り、一緒に食べた。さらに映画も観て花火もやった。


次々に思い出す楽しかった日々。

その全てがあまりにも楽しかったため布団を被りボロボロ泣きながら笑う。


恋ってこんなにもつらいことなのだろうか。


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