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それからはあっという間だった。
翌日にはお父様に死罪の判決が下された。
そして我が家は爵位を剥奪され、私は公爵令嬢ではなくなった。
ただのレミーエとなった私とお母様はいま、隣国であるルメリカに向かう馬車の中にいる。
お父様の犯した様々な悪事のために、アルトリア王国国内は針のむしろにいるようだった。
友人だと思っていた者たちは潮が引くように離れていき、ジュリア達からは父親に親交を断つようにきつく言いつけられて外出も出来ないと手紙が届いた。
出立の時に見送りに来てくれたのがコゼットだけだったのは、なんという皮肉だろうか。
コゼットと話すことで、私が彼女に対して抱いていた対抗心はいわば片思いのようなものだったと悟った。
私の犯した罪を許し、好きだとさえ言ってくれた彼女に心の底から負けたと感じた。
彼女は私の友達になってくれた。
公爵令嬢でもなんでもないただのレミーエと。