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悲しい言葉

作者: 鯨大都

詩です。

突き刺さる言葉。

ペンは剣よりも強く、

涙は血よりも濃いのだろう。


あなたの一言が私を貫く。

突き刺さる言葉。

悲しい言葉。



いちいち振り回されてたまらない。

そう思い自ら腕を切り落としたのだ。

私の腕を右手にだらんと持ち、

支えを失った私の左手の重みがあなたに移る。


不思議そうなあなたの顔。

私の肩から流れる涙。

私は、あなたの右手のそれに目をやり

そっちからは涙はでないのだなぁ、

などと思う。


「痛くないの?」

「痛いよ、心が」

「それ、臭い」


笑って言うあなたの口元が魅力的。

あなたは腕の切り口を一瞥し、

赤ん坊をゆりかごにのせるように優しくそれを、

屑籠にすてる。

振り返り微笑。

私の目はあなたの口元に引きずられる。

魅力的。

そしてあなたは私の右手を左手で握る。


あなたの手がいつもより少し汗ばんでいて私は焦る。

並んで立つと下に見えるあなたの顔。

口元は笑っている、のか。


「○○○○○!」


あなたの一言が私を貫く。

突き刺さる言葉。

悲しい言葉。

悲しいのは誰。

私かあなたか両方か。

笑顔のあなたはとても。

とても、なんだろう。

私に分かるわけもなく。



私は、

もうどうしようもないな、

と思う。

思い、あなたの左手を強く握り返し部屋を出る。



今日も快晴。

左腕を失った私は少し右側に傾いてしまうが、

そちらにはあなたがいるから大丈夫だろう。


ちらと見えた屑籠の中、私の左手が親指を立てていたことが笑えた。


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