1日目ー1
気が付いたら、知らない場所にいた。
すばやく周りをみわたす。この場所にいたのは、どうやら中学校生徒全員だった。
俺たちの周りには、見覚えのない騎士たちがいる。
「ここどこなんだよ!」
「私たち中学校に居たはずなのに・・」
あちこちで声が上がり始める。どうやら、皆現状を把握しようとしている様だ。
「雀ヶ森君、ここどこだと思う?」
「零、ここどこなんだろうな?」
「ここどこなんだろう、答えろよ零!」
「どこでもいいんじゃないかな。」
4人とも俺に聞いてくる。答えようとしたが前を見てやめた。
「どうやら、前の女の人が説明するらしいぞ。」
「皆さんお静かに、どうか私の話を聞いてください。」
その言葉に皆が黙る。それを見た女いや少女か?が口を開く。
「はじめまして、異世界の方々。私は、ローレシア王国第2王女アリシア・ラー・ローレシアです。私たちにどうか力をお貸しください。」
?どういうことだ。あいつもそう思ったのか、光牙が口を開く。
「なぜ、僕たちの力がいるのですか?」
「それは、今の王国の現状を説明すればわかると思います。今、王国はバルザック帝国と戦争をしていますが、苦しい状況なのです。」
「つまり、戦争に協力してほしいということですか。」
「そのとうりです。」
なるほど。理解した。だが、
「でも、僕たちにそんなに強い力があるとは思えません。」
そう、そのとうりなのだ。力があるとは思えない。
だが、姫さまの言葉に皆一気に騒ぎ出した。
「異世界の方々には皆とても強力な力があるといいます。皆様心の中でステータスと念じてみてください。」
「うっわ、なんだこれ?」
「ゲームみたい!」
ふむ皆騒ぎ出したな。言葉から考えるに自分の能力を表示するのかな?
1番最初に正気に戻った光牙が口を開く。
「えっと、この説明をしてくれますか。」
「はい、では説明させていただきます。まず1番上が名前となっています。次が、身体能力の高さを表します。体力がスタミナ、魔力が魔力の強さと質、STRが物理攻撃力、VITが物理防御力、INTが魔法攻撃力、MNDが魔法防御、DEXが器用さ、SPDが素早さを表します。下からE、D、C、B、A、Sで表されます。その下がスキルです。これは後で説明します。その下が称号となっています。」
「僕の称号のところに[光の勇者]があるんですけど、これは?」
「異世界人のなかで特に力の強い人のところに勇者という称号がつきます。」
やはり、あいつが勇者か。予想通りだな。
「では、スキルの説明をお願いします。」
「わかりました。スキルは大きく4つに分かれます。1つ目は、戦闘系。武器や魔法などです。2つ目は、生産系。いろいろなものを作る技能です。3つ目は、固有系。ユニークスキルと呼ばれるものです。」
「僕のスキルに【魔力支配】というのがあるのですが、これが、ユニークスキルですか?」
「!すごい。それは、4つ目の支配系です。これは、ユニークスキルのなかでも特殊なもので、この世界でも100人ほどしか持っている人がいないといわれるスキルです。その名の通りいろいろなものを自由自在に操れます。この系統には3種類あります。1つ目は、誘導。2つ目は、操作。3つ目が、支配。能力の強い順に支配、操作、誘導になります。」
「勇者の方は私の前に来てください。」
その言葉に光牙を含めた6人の男女が前にでた。
まあ、カップル3組だな。
[光の勇者]剣崎光牙・[水の勇者]増本理沙
[炎の勇者]焔堂良太・[風の勇者]鈴宮風音
[闇の勇者]安藤影治・[雷の勇者]鳴宮礼奈
「リア充爆発しろ!!」
隼人がいつもの言葉を言う。
「6人ですか。多いですね。」
「ほかの人はどうなるのですか。」
光牙が俺も気になっていたことを言う。
「もちろん、他の皆様もこちらの国の人よりは強いですから、保護させていただきます。」
とりあえず一安心だな。
「ほかに、質問はありますか?」
「・・・・危ない称号とかあるんですか?」
影治が話すなんてめずらしいな。
「危ないものはありませんが、忌み嫌われるものならあります。」
「・・・・それはなんですか。」
「[キョウ]というものです。」
「キョウ?」
「ええ。狂うや恐ろしいなどの文字がはいった称号をそうよびます。王国では昔から災厄を巻き起こす、といわれています。」
「もう質問はありませんか?」
皆何もないようだ。
「では、皆様お疲れでしょうから、今日のところはひとまずお休みください。」
そして、俺たちは、騎士たちに連れられて部屋を出た。