あのね、パパ。
「あのね、パパ。きょうね、おそとであそんだんだよ」
そうか、よかったな。
「それでね、おすなばでね、おっきなおしろをつくったんだよ」
へえ、すごいじゃないか。
「でもこうきくんがね、こわしちゃったんだよ」
酷いことするもんだなあ。
「かなしくて、ないちゃったけど、はるかちゃんがなぐさめてくれたんだよ」
そうか。もう泣き虫は卒業しないとな。
「パパ。ママにはないしょなんだけどね」
どうした?暗い顔して。
「きょうね、おうちにかえってからね、こわしちゃったの」
なにを?
「ママがたいせつにしてたかびん」
あちゃー。
「どうしよう、ママきっとおこる」
パパを頼ってくれるのは嬉しいが、ママにはちゃんと話さないとだめだぞ。
「ママは、きらい」
どうして?
「ぼくのことぶつんだ」
前はそんなことなかったのになあ。
「ねえ、パパ」
なんだ?
「どうして、しんじゃったの?」
そんな。
「パパ」
そんな悲しそうな顔するな。
「パパ」
俺の写真に話しかけるのも、やめるんだ。
「あのね、もっとパパとあそびたかったよ」
俺もだ。
「もっとパパとおしゃべりしたかったよ」
俺もだ。
「あいたいよ、パパ」
俺もだ。
「パパ……」
お前は、明るく生きるんだ。
生きていれば嫌なことや辛いことはたくさんある。
だけどはるかちゃんみたいに慰めてくれる人は、きっといるから。
だから。
だから……
もうその顔はやめてくれ。
「あのね、パパ」
じゃないとパパも
泣き虫を卒業できそうにないんだ。




