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あのね、パパ。

作者: 上尾逢衣
掲載日:2015/03/11

「あのね、パパ。きょうね、おそとであそんだんだよ」



そうか、よかったな。



「それでね、おすなばでね、おっきなおしろをつくったんだよ」



へえ、すごいじゃないか。



「でもこうきくんがね、こわしちゃったんだよ」



酷いことするもんだなあ。



「かなしくて、ないちゃったけど、はるかちゃんがなぐさめてくれたんだよ」



そうか。もう泣き虫は卒業しないとな。



「パパ。ママにはないしょなんだけどね」



どうした?暗い顔して。



「きょうね、おうちにかえってからね、こわしちゃったの」



なにを?



「ママがたいせつにしてたかびん」



あちゃー。



「どうしよう、ママきっとおこる」



パパを頼ってくれるのは嬉しいが、ママにはちゃんと話さないとだめだぞ。



「ママは、きらい」



どうして?



「ぼくのことぶつんだ」



前はそんなことなかったのになあ。



「ねえ、パパ」



なんだ?



「どうして、しんじゃったの?」



そんな。



「パパ」



そんな悲しそうな顔するな。



「パパ」



俺の写真に話しかけるのも、やめるんだ。



「あのね、もっとパパとあそびたかったよ」



俺もだ。



「もっとパパとおしゃべりしたかったよ」



俺もだ。



「あいたいよ、パパ」



俺もだ。



「パパ……」



お前は、明るく生きるんだ。



生きていれば嫌なことや辛いことはたくさんある。



だけどはるかちゃんみたいに慰めてくれる人は、きっといるから。



だから。



だから……



もうその顔はやめてくれ。








「あのね、パパ」








じゃないとパパも








泣き虫を卒業できそうにないんだ。





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― 新着の感想 ―
[一言] (´;ω;`)ぶわっ!
[良い点] 危うく最後の一行で、こっちまで泣き虫になりそうでした。 淡々と会話だけで進んでいくのに、この涙腺刺激力はすごいです。 描かれていない父子の関係が自然にわかるほどの筆力がすごいです。 親子…
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