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二人で・・・  作者: 麻本
4/6

二人の日常 4

洗濯機のある脱衣所から吾平が追い出されて数分後に、彩子は出てきた。

そして、出てくるなり

「あっくん。洗濯物が終わる間に今度は肩、揉んでほしいなぁ」

何故だか少し甘い声で催促する。

「ハイ、ハイ」

彩子がソファーに座る。

その後ろに立った吾平は、彩子の肩を揉んだ。

彩子の肩は少しばかり張っているように思えた。

「結構肩はってますねぇ。お客さぁん」

なんて吾平は冗談混じりに言ってみた。

「ふぅ~~っ。気持ちいい」

「……」

返しナシかい。

その後黙々と、彩子の肩を吾平が揉む。

「ねぇ」

「ん?」

「今度は腰をお願いね?」

「ハイ、ハイ」

彩子がソファーにうつ伏せになる。

「ちょっと、TVを点けてもいいかな?サウンド代わりに」

吾平が言う。

「いいよ。でもちゃんとやってね。あっくんて余り集中力ないんだから」

彩子に見透かされてる吾平。

「ありがと。じゃあ、取り掛かるよ?」

そう言って吾平は腰の方から軽く叩きそして丹念に揉んだ。

吾平は彩子の腰を揉みながら、彩子の頭の方から足のほうまでスーッと見たりして見る。

やっぱり彩子のスタイルってばいいよなぁ。

なんて思いながら、腰を揉んでいた。

吾平はひたすらじっくりと彩子のことをマッサージしていた。

すると、TVの音や映像が変わり地方ニュースに変わる。

この変化に吾平も彩子もTVの方に注目する。

テレビでは、ある文化功労賞の授賞式の映像が流れている。

そして珍しくも絵本での授賞式の模様だった。

最優秀作品、優秀作品の発表に続き、特別賞が発表される。

その授賞した作品のタイトルが実に特徴的で

「ポイントセチア」

と言った。

タイトルがタイトルなだけに、この特別賞の方が吾平と彩子に印象強く残ったのだ。

「ねぇ、彩子。ずいぶんと不思議な題名だね。授賞した本の名前」

「そうね。特徴有るよね。後で探して見る?どういうのか興味あるわ」

「しかし、本屋にあるかなぁー?」

 こんな話しをしながらもマッサージは続く。

ちょっとして向こうから小さな音で

「洗濯が終わりました」

と、洗濯機から終了を告げる声が流れる。

「おっ!洗濯物終わったな。彩子。マッサージは終了でいい?」

「うん」

「それじゃ、洗濯物干してくる」

そう言って吾平はソファーから離れ、脱衣所に行き洗濯機から洗濯物を取り出す。

 脇には彩子の服が残っている。

吾平が洗濯物をまとめ、ベランダに干しに行く。

その間に今度は彩子が脱衣所に行き、自分の洗濯物を洗い始めた。

洗濯物を干し終わると、もうじきお昼の12時になりそうな時間であった。

「ほとんど休む間もなくお昼か…」

お昼はあれ。スパゲティにでもするか。

吾平は、スパゲティとオリーブ油、玉ねぎ、挽き肉、ピーマン、缶詰めのトマトを用意する。

その間、彩子は脱衣所を行ったり来たりしている。

「さて、作りますか!」

吾平は最初から一人分が束ねられたスパゲティをとりだし、鍋に水と少しの塩を入れて、温め始める。沸騰まで時間があるので、まずはピーマンから刻み始めた。

そしてタマネギの皮を剥き、少し包丁を入れた所で鍋のお湯が沸騰しだす。

そうしたら、二人分のスパゲティを鍋に投入し、再びタマネギを刻み始めた。

「うっ。タマネギの匂いが!」

鼻にタマネギ独特の匂いを感じると、涙がちょちょぎれる。

ピーマン、タマネギを切り終わって、次はにんにくをひとかけらだけ細かく砕く。

後は熱したフライパンにオリーブ油をいれピーマン、タマネギとにんにく、ちょっと後に挽き肉を入れて炒める。

 炒めたら、スパゲティがゆで上がるまでは火を止める。

そして缶詰めのトマト(ペースト状のやつ)を用意する。

スパゲティがゆで上がったら火を止め、ザルに移して水を切る。

切ったらここでフライパンを火に掛けて、直ぐにトマトを投入。

数十秒だけ中火で温めたら、すかさずスパゲティを投入して良く絡める。

絡めたら出来上がり。

「出来た」

出来上がったスパゲティを皿に盛りつける。

そうしてあとは、予め電気湯沸かし機にあるお湯を使ってインスタントのワカメスープなんかも用意した。

「彩子ー。お昼出来たよー」

ちょっと大きめの声で彩子を呼ぶ。

すると間もなく、ダイニングの方へきた。

「あっくん得意のスパゲティだ」

「うん。これぐらいしかできないからね。まあ、食べよう」

「あのさ、コレににんにく入れた?」

入れたよ。一かけらだけ」

「えーっ」

「『えーっ。』てなぁ。これ位入れなきゃこのスパゲティは引き立たないんだって!それに身体のためには良いんだから。あとで歯を磨けばいいだけの事じゃん」

「…それもそうね。じゃあ、いただきます」

「いただきます」

吾平たち二人は昼食を取った。

「ごちそうさま」

 昼食を食べ終わり、吾平はさっさっと食器を洗い、片づけた。

「午後はどうするの?」

彩子が質問する。

「少し食休みしたらスーパーに買い物しに行こう」

吾平はこう答え、10分位の間何気なくテレビを見た後に買い物に出る為の支度をする。

車の鍵を持ち、外に出る。

吾平は最近になって中古の車を買ったのだ。

車の名前は「ジャズ」

この時代、いわゆるガソリン車はほぼ消滅。電気自動車が主流となっている。

でも、吾平が選んだのはハイブリッドだ。

今から100年程前まではガソリンと電気のハイブリッドだったが、UFOからの技術移植や、吾平には良く解らないが相転位、キュリー温度やモノポール理論?

などを用いた技術と超伝導の発達により大容量でありながら小型化する事に成功し、バスケットボールより少し大きい位の

その箱にはその技術が詰まっている。

昔のガソリンのハイブリッドのように、一回の補給と充電で1000キロ超え…とは行かないが、700キロ位は走る。

「ジャズ」は約6時間の充電と、かつてのガソリンに代わり入れる液体は「液体窒素」を1リットル。

これだけだ。


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