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メリッサの愛=デウリーの哀

作者: 朱鷺

勢いで書いた小説です。


オチ…なしです。


小説サイト『翠緑玉の誓文 すいりょくぎょくのせいぶん』より、改訂しました。


(ワタクシ)の名は、メリッサ。


しがない伯爵令嬢ですわ。

ダンスも詩作も一通りこなし、おしとやかな令嬢と褒め称えられておりますの。

そのおかげか、周囲からは良き妻、良き母になると言われております。


今日も朝は、何時もどおりに始まりましたの。


それが破られたのは、お父様からの呼び出しでしたわ。


「おはようございます。お父様、ご壮健でなによりですわ」


「おお、おはよう。メリッサ。相変わらず、美しいな」


「ありがとうございます」


ここまでは、何時もどおり。意味も無く、何処其処のご子息が良かっただろうというくだらない話が続くはずでしたの。


やおら、咳払いをすると話し出したわ。いつものお小言みたいに。


-もっとも、お小言のほうが良かったけれど。


「メリッサ。お前は、もう15歳だ。それで、結婚相手はもう見つけてある」


「はあ…」


「ラールスだ」


「失礼ですが、お父様。ラールスとは、ラールスですか。従兄弟の」


「そうだ」


重々しく頷くお父様ですが、二重あごがタップンタップンと動いて帰ってユーモラスですわ。威厳が、全くありません。


あのラールスと!

「…幸い、ラールスは…」

お父様がごちゃごちゃ何か抜かしていますが、聞いておりません。


わたくし、それどころではありませんでしたから…。

白茄子ラールスと!ラールス!

どうやって結婚を回避させましょう。


いつかは襲来してくるものです。結婚というものは。

それなりの用意と、覚悟はしております。


ただし!今回誤算だったのは、相手がラルース!ということです。

相手が、ラルースでは山に埋めることもできません。闇討ちももってのほか。


どうして、ラルースを相手に選んだのか。忌々しいことです。


お父様の執務室を辞したわたくしは、直ぐに従者を呼びました。


わたくしに与えられているお小遣い…財産から雇っている従者です。


「ラムディ、ジョイン。4頭馬車を用意しなさい。修道院へ行きます」


修道院。神を伴侶とし、日々を神への祈りと清貧で暮らす場所。

あんな奴と結婚するくらいなら、退屈に殺されたほうがましです。










盗賊がいるのに、護衛が1人だけとは無知とは恐ろしい。

「愚か者め、デウリー様がいるのにのこのこと」其の日は、とても良い日になりそうだった。


いや、なるだろう。


足元の谷間には、豪奢な4頭馬車が走っている。


護衛も少ない。

不気味に笑う若い男に、盗賊が今日発足したから知らないのは当たり前だろうと突っ込むものはいない。


デウリーは、にんまりと笑うと後ろを振り返った。


そこには、人相の悪い男が20人ばかりいた。


「丁度いいぜ!俺達の盗賊デビューに相応しいお嬢ちゃんだ!」


「おー!」









何ですか。騒々しい。

ラルースのおかげで、不愉快な未来に向かわされる。

其のことに対して、気持ちを落ち着かせているというのに。

いらだち交じりに扉を睨みつけると、薄汚れた男が現れたのです。


あら、まあ。


金髪に血のような赤い瞳。薄汚れた茶色とも土色とも付かない上着とズボン。

ラムディ、ジョインは盗賊たちに捕まっていました。何をやっているのですか。

ピーンとひらめきました。

天の恵みです。いいえ、天啓です。


わたくしは、予備動作無く男の胸倉をつかみました。

安物らしく、か弱いわたくしがつかんだというのに容易く破けましたわ。


「なななあななんあな」


「若い!」


25、6歳でしょう。理想的!


「たくましいわ!」


がっちりした体格!上腕の筋肉!健康的な小麦色の肌!ラールスのような白茄子肌ではない!


「顔もいいし!」


白茄子のようなふにゃけた顔立ちでは有りません!


品の無い顔立ちですが、贅沢は言っていられません。

「決定!」


「しかし、お嬢様…」


「ラムディ、ジョイン。お給料を払っているのは」


「メリッサお嬢様です」


「奥さんの治療費を払ったのは」



「メリッサお嬢様です」


「7日に1日、お休みをあげているのは」


「メリッサお嬢様です」


「よろしい。分っているのなら、おやりなさい」


「はい。メリッサお嬢様」

「全速力で行くのです。さあ!!!!!」


良案を思いついた私。

さすが私ですわ。


と、水を指す者が一人。私の問いに勢いよく応えていたジョイン!


「あの…お嬢様。俺達捕まってます」


はっ。


ラムディの首には両刃剣が。地面に転がっているジョインの上には盗賊が。


あぉ、もう!!


びっくりして固まっている盗賊頭領を、馬車内に放り込み。


紅玉をちりばめた首飾りと指輪を、盗賊達に投げ与えましたの。



「ぐふっ」

ジョインの上にのっかていた盗賊が、もんどりうって転がり落ち。


「がっ…目がっぁぁ」

両刃剣をつきつけていた盗賊が、顔を押さえ座りこみ。


そんなに喜ぶなんて…。恥ずかしいですわ。

「ジョイン!」


「なななあななんあな」


「おっお頭!」


何やら知らない男達の悲鳴が聞こえたようですが…善は急げですわ。


盗賊頭領が騒いでいるうちに、教会が見えてきました。


我が家に恐れをなしたのか、道行く人々が脇に寄って下さったお陰でしょう。


…ラムディ、何ですの。その、何か言いたげな表情は。


扉を蹴り開けると、そこにはボ~とした間抜けヅラの神父様が。


グットタイミングですわ。


「神父様。お願いがありますの。今すぐ、結婚式をあげたいのですが…」


「へ?え?しかし、メリッサ様、確か、貴女はラルース殿と…」


「神父様!善は急げと申します。祝詞をお願いしますわ」

それでも、しどろもどろ渋る神父様に、わたくしの慈悲も爆発しそうです。


ええい、まどろっこしい御方ですわ。空気の読めない男は嫌われますわよ。


「まあ、確か……『薔薇の宴』という女性ばかりの舘で神父様の―」


「わー!わー!わー!わー!」

あら、神父様とあろうお方が、教会で大声を出すなどと…はしたない真似をなさいますのね。


ぜいぜいと肩で息をする神父様。どうしたのかしら。

お年は40過ぎたばかりのはず。


興奮するような事があったのかしら。



「わかりました。では、こちらに」


威厳を保つつもりでしょうか。胸を張って、祭壇へ導く神父様が滑稽ですわ。


おほほほほ。


これも、普段から入念な身辺調査を積み重ねた成果でしょうか。


ああ、わたくしを褒めちぎるかのように、ステンドグラスが輝いておりますわ。



「主なる神の…省略。メリッサ、汝は、伴侶が病に倒れ、苦難が襲い掛かろうとも、愛することを、主の右手に誓いますか」

「はい。誓います」


「そちらの男性は、伴侶が病に倒れても、喜びが逃げても、愛することを、主の右手に誓いますか」


「………………」


「あら、貴方。誓いの聖句を。ーさぁ…」


早くしてくださいな。片手で両刃剣というのは、結構疲れますのよ。


「………はい、誓います」其の後、感極まったのか、泣き出してしまいました。

「ところで、貴方、なんていう名前ですの」


「デウ」


「デウ?」


「デウリーだ!何なんだ!あんたらは!ええ!こら、くそ女!手を離しやがれ………」



……………マリッジブルーというのは、どうやら男性も陥るようですわ。


頚動脈というのは、ここでしょうか。


のど仏を刃で押すと、旦那様は真っ青になって黙ってしまいました。


どうしたのかしらね。


では、みなさん。御機嫌よう。





おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ





.



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[気になる点] 消し忘れと思われる文が残ったままになっています。 ↓↓↓↓↓ 金髪に血のような赤い瞳。薄汚れた茶色とも土色とも付かない上着とズボン。 ラムディ、ジョインは盗賊たちに捕まっていまし…
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