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飛竜落とし姫は振り向かない ~戦う聖女は騎士団所属~  作者: 米野雪子


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5/12

国の重要保護対象者になっちゃった




「は?全属性?ありえない…」


「私も同意見です。

 しかも…信じられないほどの魔力量で…測定不可能でした…」


「いやいや、間違いでは?全属性持ちでも驚きですが…

 大陸一のあなたより魔力量が多いなど…」


「いいえ、間違いない。私の体中に魔力が溢れて…排出してもまだ足りなかった。

 全属性の証明は、水晶を見れば分かりますでしょう?」


「…それは…稀人だからですか?」



シンと部屋が静寂に包まれる。


そして、ステラ様とグレンさんが水晶を見てから、唖然とした顔で私を見る。

よく分からなかったけど、とんでもない事になっているのは理解していた。

恐る恐る口を開いて聞いてみる。



「あ、あの〜…悪い事なのですか?」


「いいえ。とんでもない逆です。

 あなたは貴重で素晴らしい、魔力属性と魔力量を保有してます。

 ですが…それゆえに、利用しようと狙われる存在にもなる。

 それが問題なのです」


「え……」


「保護について、早急に動かないといけません。急ぎ国王に再謁見を」


「はっ」



ステラ様が侍従らしき人に伝えると、足早に部屋を出ていった。

不安そうにしているのを気づいたグレンさんが、私の背中を撫でてくれたので、

腕の中で彼を見上げ私は聞いた。



「私…どうなるんですか?」


「大丈夫。心配しなくていい。国が守ってくれる」


「…騎士塔には、戻れないんですか?」


「そんな事ない。君を守るのに騎士塔は最適な場所だ」


「…それは、どうでしょう」



ステラ様が、グレンさんと私の会話に割り込んで口を開く。



「陛下が、これほどの人材をみすみす手放すと思えない。

 さきほども、あなたの人柄をとても気に入ってましたし、

 このまま王宮に保護される可能性が高い。

 多分、保護の元に王子の誰かと婚姻を結ばされると…」


「そんなの嫌ですっ‼︎」


「どうして?王家と縁つけば権力で守れます。

 それに、生きていくのに一生困らない。

 異世界から来たあなたにはいい事ばかりじゃないですか。

 この国の女性は皆、王子殿下達に気に入られようと必死ですよ?」


「私はこの国の人間ではないし、それに前の世界でも庶民です。

 マナーとか教養とか圧倒的に不足してるし、それに本音を隠して、

 建て前としがらみだらけの貴族の生活なんて…息苦しいだけで…」


「あなたは稀人だ。そんな心配はありません。

 マナーや教養は、家庭教師をつけて貰って学べばいい。

 豪華な宝石やドレス、美味しい食事だって、

 有り余る程の贅沢が、いくらでも与えてもらえますよ?」


「そんなの欲しくない。私は自由でいたいんです‼︎」


「おや、おかしな人だ。何が不満なのです?

 私の知っている女性は皆、強欲で傲慢。

 あなただってそうでしょう?取り繕わなくて結構です。

 王族になれば、何でも望むままですよ?」


「だから、私には必要ないんです!」


「ステラ師団長殿、彼女はまだこの世界に来て間もないのです。

 混乱させて追いつめるような言動は、謹んでいただきたい」


「おや、それは失礼しました。

 ですが、もっと欲望に素直になればいいのでは?

 それに…可能なら私も魔法塔に、実験体として彼女が欲しいです」



何、この人。

私の人格無視で勝手に決め付けて…

しかも、実験体って…


するとコンコンとノックされ、先ほどの侍従が戻ってきた。



「ご歓談中失礼します。国王陛下は会議を中断して、

 すぐこちらに来るそうです」



背中がゾワリとした。


嫌だ。



グレンさんと放れたくない。

騎士塔のみんなと一緒にいたい。


わずか1ヶ月で、私は彼等と仲間意識が芽生えていた。

あそこから引き離されるなんて嫌だ。


自分が予想より国にとって重要な存在になり、

動揺してしまい不安で不安で、

すがるようにグレンさんに抱きついて顔を埋める。



「大丈夫だ。サトミさん。

 国王には俺からも意見するから、心配しなくていい」


「だって…王命には逆らえないんでしょう?」


「君が嫌なら無理強いはしない。安心していい」


「サトミさん」


「…はい?」



ふいにステラ様に話しかけられ、スッと手を取られる。

何で、この人急に手に触れてきたの?



嫌だ。この人嫌い。



拒絶反応なのか無意識に手を引っ込めようとする。

そう思った途端、バシッと弾かれた。

指先がピリリとする。

ビックリして目を見張ると、ステラ様も目を瞬いている。



「はっはははっ!素晴らしい。詠唱なしでコレですか」


「今のは拒絶の…」


「そうです、グレン団長。拒絶の防御魔法です。

 応用すれば、結界魔法にも派生可能なのですよ」


「え?あの…今のは、私がしてたんですか?」


「ええ。私に触られたくなかったんでしょ?

 すっかり嫌われてしまいましたね…」


「…………」



少ししょげているステラ様に、

はい、そうです。なんて失礼を言えず無言を貫いた。

私が黙っていると、再びコンコンとドアがノックされ

国王が少し慌てたように、入室してきた。


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