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〈連載中〉飛竜落とし姫は振り向かない ~戦う聖女は騎士団所属~  作者: 米野雪子


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グレンとサトミの関係




「グレンさん、お疲れ様!今日はハンバーグですよ」


「お疲れさま。おお、嬉しいな」


「みんな沢山食べるから、今回から2枚にしたの」


「そうか。ありがとう。いつも楽しみなんだ。

 そういえば魔力の授業はどうだ?辛くはないか?」


「順調です。色んな事を覚えるのは楽しいですもの、ふふっ」


「そうか、それは良かった」


「おや、随分親しいのですね…」



食堂の夕飯時にカウンター越しで皆にトレーで、

食事を配給していると、グレンさんが丁度入ってきた。

彼といつも通りのコミュニケーションを取っていたら、

何故かステラ様が割って入ってくる。



「えーと、ステラ様よりはグレンさんとは、長い付き合いですから…」


「そうですか…私にも是非その可愛い笑顔を見せて貰いたいものです」


「…すいません。私、愛想笑いが出来なくて…」


「ぶっ!はははははっ!遠回しに振られてるしっ!」



ステラ様のすぐ後ろに並んでいた、アレンくんが思わず吹き出す。

あれ?謙遜したつもりだったけど、そういう事になるの?



「ほら、早く早く!後ろつかえてるから進んで!

 みんな腹減らしてるんだからっ!」



アレンくんは、固まっているステラ様を後ろからせっついて列を進める。

謝った方がいいのだろうか…いや、かえって失礼になるか…

全員に行き渡り、席に着いた所で皆に大きく息を吸って声をはる。



「皆さん、今日も1日お疲れさまでした!

 今日はハンバーグを沢山作りすぎたので、お代わり欲しい方は、

 食べ終わったらカウンターに来てください!」



喜びの歓声があがり、皆嬉しそうに食事を始める。

この景色を見るのが私は何より好きだった。

みんなの幸せそうな顔をみると、疲れが吹き飛ぶ。



「サトミちゃん、お代わりいいか?」


「あれ?サイラスさん、早っ、もう食べたの?」


「ああ、美味しかったよ」


「あ、卵余ってるし…良かったらハンバーグに目玉焼き乗せます?」


「お?いいね!頼む」


「パンのお代わりは~?」


「それも頼む」


「はーい♪」


「あっ!一番乗りサイラス補佐かっ!くそっ!」


「俺もお代わり!サトミさん!俺も目玉焼き付けて!」


「はいはい、沢山あるから慌てないで~!」



ハンバーグは、あっという間に消費されていった。

私が聖女だと分かる前も後も、彼等は変わらず私を1人の人間として

接してくれる。それが、私にとって凄く嬉しかった。

みんなが笑顔でいられる平和な毎日が、願わくばずっと続いて欲しい。



「あれ?グレンさんもお代わり?」


「ああ、まだあるかな?」


「ありますっ!目玉焼きつけます?パンもありますけど?」


「両方たのむ……サトミさん」


「はーい?」


「今週末、何か予定ある?」


「いいえ?魔力の授業とマナー講座は、週の前半だけなので…特には…

 あ、そろそろ町行ってみようかな、とは考えてます。

 市場で食材を見てみたくて…」


「では、俺が同行しよう」


「いいんですか?」


「ああ、町案内も兼ねて一緒に出掛けよう」


「やったー!ありがとうございます。

 はいっ、お代わりとパンお待たせしました!」


「ありがとう。では、お昼ぐらいに迎えにいくけどいい?」


「はい!楽しみにしてます。あ、あとハンドクリームとか普段着も欲しくて…」


「どこでも付き合うよ」


「うわー…デートの約束してる…いいなぁ…

 しかもグレン団長、サトミさんと喋りながらカウンター席で食べ始めた」


「…あの2人って、やっぱりそういう関係なんですか?アレン殿」


「見て分かるでしょ?サトミさんのあのニッコニコの可愛い笑顔♪

 この世界に来て、最初に出会って保護したのがグレン団長だったし、

 何て言うか、あの2人は最初から相思相愛って感じなんっすよ。

 あっ、ステラ師団長、邪魔しないでくださいよ」


「でも、まだ恋人同士という訳じゃないんでしょう?」


「横恋慕する気満々だし。まあ見向きされないし、好きにすればいいっすよ。

 騎士団員の中でも、結構な人数が彼女に懸想してるけど、

 グレン団長に遠慮して、応援に転じてるんです。俺も含めてね。

 ……あれ?そういえば、ステラ師団長って婚約者いませんでした?」


「………破棄されました」


「あらら…ご愁傷さまです。

 まあ、その美しいご尊顔で素晴らしい地位もあるしモテるでしょ?

 大丈夫、大丈夫。すぐ次見つかりますよ」


「サトミさんは、夫は何人まで許容なんでしょうか…」


「え?諦めてないの?

 …うーん…彼女、多夫制は受け付けないみたいですよ?」


「そんな所まで、謙虚なのですか…」


「謙虚っつーか一途なのでは?」


「うーん、益々気に入りました」


「ちょっとやめて!魔術師まで参戦してこないでくれる⁉︎」



こっちで言い争っている中、カウンターでは和気藹々とした

雰囲気が展開されている。



「本当に、サトミさんの料理は美味しい…」


「今度また新しいメニュー作るので、お楽しみに♪」


「どんな料理?」


「ミートソーススパゲティです。トマト味ソースの麺料理で、

 挽肉とトマトと玉ねぎのソースで、そのソースに麺を絡めて食べるんですよ」


「聞いただけで美味そうなんだけど…楽しみにしてるよ」


「良かったら、グレンさん試食してくれます?」


「勿論だよ。光栄だ」


「あの、週末のお出掛けなんですけど…」


「ん?」


「私とグレンさんだけで、出掛けて大丈夫なんですよね?」


「ああ、大丈夫だ。俺が護衛騎士の変わりだからね」



良かった。

グレンさんに、何かお礼したいから2人きりのが渡しやすい。

いつもお世話になってるし。

騎士塔内のお手伝いで、給料も出てるから私も散財できるし。

あと、聖女給付金みたいなのも毎月財務部の金庫に振り込まれるようになって、

凄い金額に目眩がした。

私、どんな仕事させられるんだろう…と少し心配になる。



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