師匠1
主人公になるために努力をし続けて数年が過ぎて、十歳になった。
スキル【機械化】も成長し、今では剣以外にも腕を銃に変形させたり、身体のあちこちからブースターを展開できるように。
森の中に現れる小型ドラゴンは簡単に倒せるようになったが……中型ドラゴンはまだ倒せない。
そして現在、俺は今……森の奥にいる中型ドラゴンと戦闘をしている。
「チッ!」
俺は身体に搭載されたブースターから炎を噴射し、迫りくる無数の氷の槍を躱す。
今、俺の目の前にいるのは蒼い鱗に覆われたドラゴンと激しい戦闘をしていた。
そのドラゴンは大型トラックぐらい大きく、両手の指から長く鋭利な氷の爪を生やしている。
今まで戦ってきた小型ドラゴンと違い、攻撃力も防御力も違う。
「こんのおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は右腕を銃に変形させ、弾丸を連射。
無数の弾丸は中型ドラゴンの頭に直撃する。
しかしかすり傷すらつかない。
「ならこいつでどうだ!!」
左腕を剣に変形させ、俺はドラゴンに突撃した。
ドラゴンは鋭い氷の爪を振るい、俺を殺そうと襲い掛かる。
だけど俺は身体のあちこちに展開したブースターで素早く躱し、ドラゴンの懐に飛び込む。
「そこ!」
俺は剣をドラゴンの胸に突き刺す。
しかし……ガキン!!と音が鳴り響くだけで、剣先すらドラゴンに刺さらなかった。
嘘だろ!どんだけ硬いんだよ、こいつ!
「グアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「しまっ……うわああああああああああああああ!!」
ドラゴンの尻尾攻撃が俺に直撃。
俺は吹き飛び、木に激突する。
肉体を機械化しているお陰で大した怪我はしていないが、痛くて動けない。
「グルルルルルルルル」
ドラゴンはゆっくりと俺に近付く。
クソ……逃げられない。
そう思っていた時、突然……空から大きな光の剣が落ちてきて、ドラゴンを串刺しにした。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
悲鳴を上げる中型ドラゴンは、口から大量の血を吐いて……命を堕とした。
それを見て、俺は呆然とする。
「い、いったいなにが」
「なかなか根性がある子じゃないか」
「!!」
声が聞こえた方向に視線を向けると、そこには光の翼を生やした女性がいた。
歳は三十歳ぐらいだろうか。
髪は金色で顔立ちは日本人離れしている。
瞳はサファイアの如く蒼く……美しい。
「あ、あの……助けてくれてありがとうございます。えっと……」
「マリーだ。マリー・リーリー……あんたの」
「師匠になる女だよ」
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