あたらしい生活
澄子の知らない所であれよあれよと話は進み、澄子達は新しい家に引っ越すこととなった。
新しい家は、元の家からは車で15分のところにあった。
庭付きの二階建ての綺麗な家。
前の家より断然おおきくなった。
その頃、真奈美は、気になる咳をするようになった。
澄子は気になりながらも、部屋の片付けやら手続きやらで追われていた。
拓也は、小学一年生になった。新しい家では、1人部屋を用意した。嬉しそうな笑顔に、澄子は少し不安は和らいだ。
拓也はやっと近所の子供たちとも友達になり笑うようになった。千鶴がいた頃は笑う余裕の無かった生活。
やっと自由だと庭から見える松の木を見て、澄子は涙が出た。
真奈美の咳は、朝と夜出る。
生活の変化からかと悩んだが、変な音がすることから病院へ行った。
真奈美三歳。喘息発症だった。
小児喘息ではなく、大人の喘息で、この日から真奈美は、苦しい毎日を送ることになる。
薬が嫌いな真奈美は、薬を飲もうとはしなかった。
医師からは、笑わない、泣かない、怒らない。そしたら、発作は出ないと言われた。
真奈美は、明るく活発から一気に病人のように痩せていく。
楽しいことも出来なく、泣けず、怒れずどう接しないといけないのか。
澄子に新しい試練が与えられた。