☆登場人物の整理
アデル … 主人公。二十一歳。
一人称は「あたし」だが、聖女の仕事中は「私」と使い分けている。公爵家に拾われて、なんやかんやで養子になり、聖女になった。緑の豆色のふわふわした長い髪と同じ色の瞳。(Pea green)わりと整った可愛い顔をしているが、表情管理をしない上に、自分を飾ったり磨いたりすることに興味がない。研究が好きで、過集中する傾向がある。大聖女様の右腕として、聖堂でナンバーツーになるのが目標。公爵家とは仲良しで、実子とも交流がある。師匠はクレマン。13歳の少年ミシェルととんでもない約束をしたことをきれいさっぱり忘れていた。
>日焼けした健康的な肌。
>紐で簡単に結んでいる父親譲りの緑豆色の髪と、くるくると動く悪戯っぽい瞳。
>いつも微笑んでいるように見える陽気な口元。
>やせぎすの体には余分な脂肪がなく、化粧っ気がまるで無い。
>少年といっても通るような見た目
(『ヴァレリアン公爵夫人の穏やかな復讐』より 若い頃のアデル 引用)
ミシェル … ミシェル第三王子。十八歳。
花がほころぶような微笑みと美貌、堂々たる気品から「天使ミカエル」と呼ばれて王族・貴族・国民問わず愛されている。可愛いと美人と雄っぽさを33%ずつ合わせ、1%の色気を足したような生き物。13歳だった5年前にアデルに惚れ込み、己の可愛さと立場を利用して『お嫁さん』になってやるという言質を取り付ける、狡猾で賢い面もある。
騎士団長 … 通称ガブリエル。今年初めて剣技の大会でミシェルに負けた。字が汚い。
大聖女ユーリンヒッテ … ミシェル第三王子の伯母。ミシェルの母の姉という立場だが、公には公表していない。独身で子どもはいない。幼いころからミシェルを溺愛しており、つい甘くなってしまう。60歳くらいだが、見た目は40歳程にしか見えない。
モルガネ … 中級の聖女。
シルヴェール … アデルの同期。高飛車。
レオポール … 先代王。庭仕事が好き。ヴァレリアン公爵家と繋がりがある。
カトリーヌ … 王妹。アデルの一つ下。独身。「新婚の浮かれた者どもの戯言ってあたくし不快だわ」
マティアス … 白の騎士団の副団長。義手。国一番の義手製作士と5年前に結婚している。
クレマン … ヴァレリアン公爵家の執事。アデルの魔力持ちとしての知識を固めた師匠。独身だが、実はエルフの女性と一緒に暮らしていたことがある。