第5話~双方技術者~
ー双方技術者ー
その5文字が空間投影術によって映し出された。
「ちょちょちょちょ!!双方技術者だって~?!」
「魔法の神官。そんなに慌てて俺のこの双方技術者ってなんかやばいものなんですか?」
「ちょっと柊!陽介に説明なさい!」
「双方技術者というのは簡単に言いますと、”魔術と異能の力がどちらも使用できる人材”という意味になっており、その総数はその原石も含めてこの世界には10数人程度と言われています。」
ー まさか俺がそんな能力を?
「まあそんなところだわ~。ちょっとあまりにも珍しかったから驚いてしまっただけだわ~。ところで陽介。この双方技術者を生かすも殺すもあなた次第なのよ。とは言ってもあなたはその原石に過ぎない。ランクも初級能力者と言ったところだわ~。」
「でも俺なんかが双方技術者でいいんでしょうか。能力の使い方も魔法の使い方だってなんもわかんないんですよ?」
「能力の向上は経験さえ積めばあっという間だわ~。とりあえずアルザード(柊の所属するギルド)で経験を積みなさ~い。そしてあなたの住まいは今日からここよ。」
「え?ここですか?ここに寝るところなんてどこにも...。」
「寝るところならあるわ~。あと双方技術者は存在が貴重なことから他地域の冒険者ギルドから狙われる危険性もあるわ~。」
「要するにあなたの存在はここの冒険者ギルド全体で守り抜かなければならないということです。とりあえずアルザードへようこそ。そしてこれからもよろしく。」
ー どうやら俺はとんでもない能力を持った原石として転生したらしい。
ー それにしても普通所属するギルドって自分で決めるものじゃないのか?
「陽介~。ちょっとこっちきて~。」
「柊。どうした。」
「ちょっとアルザードのメンバーを紹介するわ。」
ー これがギルメンなのか...?
「よう少年!俺がアルザードのリーダーの葉山恭介だ!魔法ランクは魔術の達人で精神・空間支配系術者だ!よろしく!」
ー なんだこの人ゴリゴリのマッチョすぎてもはやゴリラに見えてくる...顔もゴリラみたいやないかい。
恭介の見た目はまるで人とゴリラのハーフである。
「ハ~イ!私は火炎能力者のエリスよ。能力レベルは超能力者よ。よろしくね新人君!」
ー なんだこのハートを直接撃ちに来るような雰囲気は...。この人がお姉さん枠だよな...。服もスタイルもセクシーだし、かなり綺麗な人だし...。
俺は頭の中でムフフな妄想をしまった。
「えー。私がイザベラよ。魔法ランクは魔導士。水属性術者といったところかしら...。まあ別に仲良くしたいって言うならしてあげなくもないわ...。」
ー この人は...ツンデレ枠だな。
「そして私が柊碧依。防御・回復術者の中級魔術師ね。改めてよろしくね!」
「佐藤陽介って言います!能力は双方技術者ですが、まだこの能力の使い方もわかってないんでここで勉強させてもらいます!よろしくお願いします!」
「じゃあ早速、依頼受けにいっちょ狩りにでも行っちゃうか~!陽介はこの俺の後ろでしっかり見て学んでくれ。」
こうして俺はハラハラドキドキの初めての狩り、初めての冒険に出かけるのであった。
ご覧いただきありがとうございます。こちらの作品は不定期更新となっております。
また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。