第3話~救世主~
そうして俺は話しかけてくれた柊の家に向かうこととなった。
ご飯が食べれると思うと自然と元気も湧いてきた。
また、薄暗い中だがぼんやりと柊の容姿も分かった。
ー 細くてきれいな脚に少し大きめのお尻。さらに細いウエストに慎ましいおっぱいといったところだろうか。めちゃくちゃいいスタイルのお姉さん?といったところだ。ただローブが大きすぎて少し似合ってない気もするがそんなことはまあいい。
そんなことを考えて柊の後ろを歩いて5分程度で家に着いた。
そして柊が手際よく作った大量の料理を振舞ってくれた。
「遠慮なく召し上がってください。きっとお腹も減っているでしょうから好きなだけ食べていってください。」
明かりの灯った部屋で見る柊の顔は非常に美しく、それも相まってか女神にも見えた。
柊の容姿を例えるなら、よくアニメとかに出てくる主人公の幼馴染のお姉さんで負けヒロイン枠くらいである。
見た目のことを考えているうちに振舞われた料理はあっという間に完食。俺のお腹もかなり満たされていた。
そして俺は柊に聞いてみた。
「あの~...。なんで俺なんかに声掛けてくれたのですか?別にイケメンでもなければ背が高いわけでもない。数日間お風呂にも入ってなくて体中汗臭いのに...。」
「困っている、苦しんでいる人を助けるのに理由はいりませんわ。それに実は私も同じような状況だった時があるのです。この世界に来て1週間程度はこの世界の言葉の壁に跳ね返され、相手をしてくれる人もいなければお金もない。もちろん食事だって睡眠だってままならない日々が続いたことがあったのです...。そんな時私もある魔術師の方に助けていただいたものですから。どんな人でも必ず力になりたいと思ったわけです。」
ー この人マジでなんなんだ?聖母かなんかなのか...?
「そうだったんですね...。もしかしてあなたも転生してこの世界にやってこられたのですか?」
「えぇ。私は約1年半前に大学に向かう途中で信号無視をした車に轢かれて1度は死亡しました。ですがその間で何か声がしてこの世界へ転生することに決めたのです。なんせやり残したことが多すぎたわけでありますからね...。」
「実は俺もその声の主によってこの世界に転生させてもらったのですよ!...。よかったらこの世界のこと俺に教えてくれませんか?」
「私が分かっていることであればお教えいたしましょう。まずこの世界は魔術と異能の力が入り混じる世界です。そして転生者はそのどちらかの才能の欠片をもった状態で元の身体的・精神的特徴を引き継いだ形で転生します。なのであなたにも魔術か異能の力が使えるかもしれませんね。一応私は回復術師系の魔術師で中級魔術師のランクに位置しています。そしてこの世界には、冒険者ギルドが存在します。転生者の多くはこの冒険者ギルドに所属しています。そのギルドで依頼を受けることで『フェイロン』というこの世界の通貨を難易度に応じた報酬として受け取れます。まずは自分が魔術か異能かどちらの力が使えるかを認識した方がいいと思いますよ。」
「でも確かめるって言ってもどうしたら...。」
「ギルドに行くとアビリティスキャンができるからそこに行くといいよ。よかったら今日ここで泊まってから明日一緒に行きます?」
「本当ですか?!ありがとうございます!ぜひよろしくお願いします!」
「じゃあ一旦今日はゆっくり休んでいってください。」
俺は柊のおかげで死なずにいれた。
そんな彼女にかなり親切にしてもらい俺には柊がますます女神のように見えていた。
ー しかし俺はどっちの能力を持っているんだ...。しかも魔術だけじゃなくって異能の力までもがこの世界にあるってことはつまりどうゆうことなんだ...。
ー それにこの世界には俺以外にも転生してきた人間がいるってことだよな...。
俺は用意してもらった布団の上で横になりながら情報整理をしていたが、気づいた時には眠っていた。
ご覧いただきありがとうございます。こちらの作品は不定期更新となっております。
また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。