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転生魔術師の覇道譚  作者: 蒼翔ユウキ
第二章~インテグラリッシュ王国編~
34/57

第33話~使命~

 春香は一旦インテグラリッシュ王国に帰ることとなった。

 今回の戦争の報告と、自分自身の無事の報告を行うために少しの間過ごすこととなり、またすぐにエクスパンドライズへと戻ってくるという計画である。


 するとマリアーノが春香を呼び出してある話をしていた。

 「春香ちゃんにはしっかり伝えておくわ...。我々エクスパンドライズの次なる敵の一つにインテグラリッシュ王国が含まれるわ...。」

 「それは...。どうしてでしょうか...。」

 「私は召喚者という不遇な人達をこの世からなくすことが使命だと思っているわ...。でも私も貴女も召喚者...。今いる召喚者を根絶するという意味じゃないわ...。」

 「ならそれはどういう意味で...。」

 「召喚者は現世から急に姿を消してこちらの世界に連れてこられるわ...。私も同じ経験をした...。毎日同じような日々を過ごしてきたあの日、急にこちらの世界に連れてこられたわ...。それは貴女も同じでしょう...。家族、友達と離れ離れになって急にこの世界に連れてこられた自分の気持ちは分かるだろうけど、当然現世でも自分が急に姿を消して二度と帰ってこない現状に悲しみ、落ち込み、絶望していることだろう思うわ...。」

 「それはそうですけど...。ならなぜインテグラリッシュが...。」

 「それはハピダルが召喚術式を使えるからよ...。彼は過去にあなたを召喚した以外今のところ使用はしていないけれど貴女がこの世からいなくなったら彼は次の者を召喚する可能性が高いわ...。」

 「でもハピダル様はあなた様のご友人ではないのですか...?それに国家間の協力関係も結んでいるわけですし...。」

 「それでも私には召喚術式を使える者の根絶が使命だわ...。現世から異世界に連れてこられる人を一人でもなくしたい、助けたいのが私の思いだわ...。それを実現したいならば我々について来てほしいわ。恩義を返すのならばインテグラリッシュの戦士として戦うがいいわ...。」

 「このことは他に誰か知っているんでしょうか...。」

 「いや...誰も知らない私たちの間の秘密だわ...。」

 「分かりました...。またインテグラリッシュに一度帰ってじっくり考えてから帰ってくるかどうかを決断いたします...。」

 「分かったわ~。なら今かかっている魔術を解いてあげるわ...。春香未来の魔術を解き新たな魔術をかけよ...。心理束縛(メンタルコントロール)。フロスト。入ってきてちょうだい...。」

 「どうしたマリアーノ。」

 「春香ちゃんを連れて帰ってちょうだい。またこれからどうするかは彼女自身に任せることにしてあるわ~。あとハピダルに伝えてちょうだい。“次はお前だ“って...。」

 「それが最後通牒か、マリアーノよ...。」

 「そう受け取ってもらっても構わないわ。」

 「なら楽しみにしておこうじゃぁないか。」

 「とりあえず春香ちゃんはかかってた魔術を解いたから一時的に弱っているわ。丁重に扱いなさいよ~。」


 エクスパンドライズの次なる敵の一つにインテグラリッシュ王国が含まれていることを明かしたマリアーノは春香に魔術を解くと言って自分の支配下に置けるための心理魔術を使用した。

 春香が弱まっているのは魔術を解かれたからではなく、彼女の心理をマリアーノに掌握されるという魔術をかけられ、それが非常に重い魔術であったからである。

 

 マリアーノの使命というのは先ほどの会話であったように、召喚術式を使う者の根絶であるがそれは彼女の過去に大きく関係しているという。

 

 彼女はごく普通の高校生として平凡な日常を過ごしていた。

 家族でキャンプに行っていた8月某日、彼女が一人で先に川を上がって行っていた時だ。

 川の水が急に一部分だけなくなり、彼女の足下に現れたのは非常に大きな魔法陣で、気づいたときにいは全身を魔法陣に包まれていた。

 家族のだれもが見ていないときに彼女はこの世界から姿を消したのだ。

 彼女自身はその後の現世のことは知らないが、家族が総出で探し、警察も参加しての大規模捜索が行われた。

 しかし、痕跡も何もない。

 服や靴、髪の毛一本すら転生する瞬間に残したものはない。

 さらに、現世に住むものは異世界の存在なんか知るわけがないのだ。

 当然行方不明のまま処理され、家族、友人は悲しみに暮れ、いつまでも彼らに探され続けているのであった。

 家族は生きてることを信じてそれ以降の日々を過ごしていた。

 

 マリアーノがその事実を知ったのは彼女がエクスパンドライズの支配者になってからのことだった。

 彼女が王の地位を手に入れるとともに獲得した脳に干渉し、対象の過去を見られる力によって己の過去を覗き、現世での話を振り返った時に知ったのだ。

 現世を見られる力によって家族の不遇も知った彼女は、召喚術式の根絶に立ち上がるのであった。 


 マリアーノが春香を大切にするのは自らも同じ召喚者であり、同じ境遇にあった者として自分と重ね合わせていたからある。

 一方ハピダルは召喚者とは無縁の転生者から成りあがった実力者で、自らの手で召喚術式を構築し、召喚者を生み出しているためそれに対する慈悲の心は全くない。

 むしろ己の戦力のために召喚者は必要な存在と考えているため召喚術式の廃止は非常に不利益なことで阻止したいことである。

 

 過去、一緒に戦ってきた戦友の二人の考え方は真逆であり、これに対する争いが起こるのは必然的なことである。

 しかし、マリアーノはハピダルの召喚術式の発動を妨害させる術式の開発に成功している。

 

 それは陽介がまだインテグラリッシュ王国に修行をしに行っていた頃だ。

 マリアーノが召喚者のことの情報が欲しくてハピダルの元を訪ねたことがあった。

 そもそも召喚術式についての基礎情報をほとんど知らなかったが、アンドロメダ皇国の件もあり、彼女は召喚術式についての話をハピダルに聞いていたのだった。

 最初は陽介が上手く育成できなかったら、アンドロメダ皇国の召喚者に立ち向かえるような召喚者を呼び出し、その時は自らで召喚術式を発動したいからそのコツを教えてほしいということでシステムを聞いていた。

 その時分かったのが召喚術式は根本的なところは同じだが、最後の決め手は魔力量によて異なるため、召喚術式は人それぞれ、十人十色の術式であるということだ。

 そしてマリアーノはハピダルの使用する召喚術式を分析し、春香未来にかかるハピダルに依存する魔術を解き、手中に収めておいた。

 春香未来がエクスパンドライズへと行くことでハピダルは召喚術式を発動し、召喚者を呼び出そうとするだろうとマリアーノは予想していた。

 未だにその動きはないが、春香の動向次第ではそのようなことが起こる確率が高いという。

 もしハピダルが召喚術式を使った時にはその術式を妨害することがマリアーノにはできる。

 インテグラリッシュ王国に対する召喚者対策というのは既に完璧であるのだ。

ご覧いただきありがとうございます。

こちらの作品は不定期更新となっております。

また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。

また、本作品はTwitterでの投稿告知を行っておりますので是非「転生魔術師の覇道譚」(@tenseimajutsusi)で検索していただけると助かります。

今後ともよろしくお願いします。

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