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転生魔術師の覇道譚  作者: 蒼翔ユウキ
第二章~インテグラリッシュ王国編~
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第23話~新たな戦い~

 「今回また呼び出しに応じてくれて感謝するわ。今回みんなに伝えたいのはインテグラリッシュ王国との戦争の可能性についてよ。陽介がインテグラリッシュ王国での修行を終えて帰ってきてからあの国にはちょっと我々のは不利益を及ぼすような相手であるわ。恭介。どんな状態であるか説明を。」

 「アルザード、リーダーの葉山恭介です。インテグラリッシュ王国から帰還した佐藤陽介ですが、頭の中から情報が消え去るような術式がかけられていました。炎と光の魔術が使用されていたため恐らくインテグラリッシュ王国の春香未来と国王であるアブドゥル=ハピダルの仕業かと。またインテグラリッシュ王国では違法に召喚者を呼び出しているという噂もあります。」

 「そういうことだわ。陽介は今、私の術式によって上書き荒れているから安全な状態にはあるわ。けれど遠距離での精神系統の魔術が使われる可能性があるわ。念のため領内に結界を張って対策するわ。そして我々の安全が保障されなければインテグラリッシュ王国へ宣戦布告するわ。みんなその時は頼んだわよ。」

 

 そうマリアーノが告げ、みんなが退出しようとした時だった。

 「緊急です。アンドロメダ皇国がエクスパンドライズへ宣戦布告したそうです。名目は双方技術者の略奪と領土の拡大だそうです。」

 会場の空気が一変した。

 解散の際に少し緩んでいた雰囲気が一気に締まった。

 張り詰めた緊張の中でマリアーノは声を上げた。

 「皆の衆、聞こえるか。我々は今最大の窮地に立たされている。アンドロメダ皇国にインテグラリッシュ王国と相手は沢山だ。だが我々戦士である以上守るべきは国民だ。だから私について来てほしい。大丈夫だ。すべて上手くいかせて見せるわ。」

 

 その一声で会場のボルテージはマックスになった。

 地均しの様な歓声が起き、皆の士気が数段階上昇しているような感じである。


 これがアスケル=マリアーノがリーダーである所以なのかもしれない。

 陽介は以前マリアーノに対してただならぬリーダーシップを感じていた。

 全くリーダーぽくない見た目だし言葉の使い方も決して上手ではない。

 なのに皆を統率するリーダーシップを誇り、どこか引っ張られたくなるような存在とも感じていた。

 けれど実際はエクスパンドライズのリーダーとしての覚悟や責任を一身に背負って己の能力を存分に有効活用しているのが彼女がただならぬリーダーである所以ということである。

 

 「みんな...。私について来てくれるって事ね...。ならよろしく頼むわ。」

 そういうとマリアーノは転移術式を発動して飛んで行ってしまった。

 向かった先はインテグラリッシュ王国のアブドゥル=ハピダルの元である。

 

 「ハピダル~。ちょっといいかしら。エクスパンドライズがさっきアンドロメダ皇国に宣戦布告されたわ~。名目は佐藤陽介の回収と領土の獲得よ。」

 すると陽介の回収という言葉に反応して春香未来がマリアーノのところへ飛んできた。

 「陽介の回収が目的ですか。マリアーノ様。私はお力添えいたします。」

 「まあそんなに焦るな、春香よ...。アンドロメダ皇国ならば妾の力を借りなくてもエクスパンドライズならばうまくやると思っておるが...。」

 「そうだぞ春香未来。あの小童はこのフロストウィングを倒した実力者じゃ。心配することなかろう。」

 「でも陽介がピンチなんですよ。師匠として陽介の近くにいてあげたいんです...。」

 「さては春香...。お前陽介のこと好きなんだろ?」

 「ち、ち、ち違いますよ...!!ただ本当にっ近くに居たいだけで...。」

 「私としても春香ちゃんだけでも来てくれると非常に心強いわ~。陽介の戦争の中での戦いも見て欲しいし~。」

 「ハピダル様。私だけでも行かせてくれませんか?我々インテグラリッシュ王国はエクスパンドライズと共同戦線を張るという話もあります。有事の時は力を貸さなければ国交はいつか破綻しかねません。」

 「仕方あるまい...。春香未来。エクスパンドライズのための人材としてお前を派遣する。」

 「ハピダル様。感謝申し上げます。では行って参ります。」

 「じゃあそう言うことだから~。私も失礼するわ~。」


 春香が望んだのもあってマリアーノがインテグラリッシュ王国に入ってからほんの一分ちょっとの出来事であった。

 マリアーノは予定通り春香をインテグラリッシュ王国から連れ出すことができたので、春香にかかっているハピダルの支配魔法を解こうとする考えであった。

 春香にも、以外の誰にもそれに気づかれず自分のやりたいことを遂行する能力にたけているのも彼女の特徴である。

 

 そしてあっという間にエクスパンドライズではマリアーノの横に春香がいるのに皆が驚いていた。

 「聞いてくれ。一応口約束ではあるがインテグラリッシュ王国と共同戦線を張っていてな...。それで今回アンドロメダ皇国との戦争に対して春香未来を借りることができた。彼女には軍隊一つ壊滅させられるくらいの戦力がある。皆もなるべくいい関係を築いていくように心がけよ。春香未来にはアルザードに加わって共に行動してもらう予定だ。」

 「春香未来だ。能力は陽介と同じ双方技術者で火炎魔術師で火炎操作系の能力である。どれだけの期間一緒にいるかはわからないが必ずエクスパンドライズに貢献することを誓おう。よろしく頼む。」

 春香はそう一言述べるとオーラを丸出しにして陽介の横に座った。

 春香のオーラが大きすぎるがあまり少し春香と距離を置こうとする者もいたがアルザードのメンバーはかなりすんなり受け入れていた。

 陽介の師匠であるという理由もあるが、それ以上に何かしらの情報を盗むためにできる限りいい関係を築こうという意識の表れであった。


 エクスパンドライズの戦闘員の多くが春香未来を敵視しなかった理由もある。

 先ほどのインテグラリッシュ王国帰りの陽介に洗脳がかけられていたという話を聞いたら普通なら敵意むき出しで襲い掛かったり、その場が罵詈雑言で溢れかえるだろう。

 ただこれも多くの人がマリアーノの意思をある程度理解しているからである。

 春香がここに来る際に、新たな洗脳にエクスパンドライズ全体がかけられる可能性があるということはしっかりと認知しているがそれ以上にマリアーノの作戦を信じているという意思の結果である。

 結界を張ることを命したからには春香という人物をエクスパンドライズの物にしてしまおうというマリアーノの考えを十二分に理解しているのもまたそうである。

 意思を完全に理解しようとするものが各チームのリーダーとなっていることを加味すると、それはまたマリアーノの賢さの一つであると言える。


 「三日後に開戦となるがアンドロメダ皇国とは距離があるわ。恐らく海戦となるでしょうね。水流操作系の能力者を中心に一番隊から組んでいくつもりよ。また明日の朝に詳し話をする。とりあえず今日は解散よ。」

 そう言い残すとアルザードのメンバー以外はすべて退室した。

 するとアルザードのメンバーは陽介が仲介して春香とだんだん打ち解けていった。

 

 陽介にとっては二度目の戦争が始まる。

 ただ前回とは違い相手は強い。

 だがその分陽介も大きく成長してきている。

 個として戦ってきた今までの修行とは全く違い、衆として戦う。

 アンドロメダ皇国には召喚者も実在するような国家であるため油断も禁物である。

 

 マリアーノは寝る間を惜しんでひたすら作戦を考えた。

 召喚者には誰をぶつけるべきかや戦場をどこに設けるかなどそれは様々で、すべてを考えてあらゆる作戦を試行錯誤しながら立てた。

 起こりうるすべての事象を自らの予知を使って頭が痛くなるほどに考えた。

ご覧いただきありがとうございます。

こちらの作品は不定期更新となっております。

また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。

また、本作品はTwitterでの投稿告知を行っておりますので是非「転生魔術師の覇道譚」(@tenseimajutsusi)で検索していただけると助かります。

今後ともよろしくお願いします。

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