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転生魔術師の覇道譚  作者: 蒼翔ユウキ
第二章~インテグラリッシュ王国編~
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第22話~帰還~

 「ただいま~。陽介!」

 エクスパンドライズに帰るとすぐに待ち構えていたのはアルザードのメンバーであった。

 久しぶりの登場であるアルザードのメンバーであるが、陽介がいない間はいままで陽介がいなかった時のように任務をこなしていたという。

 みんな非常に元気で今か今かと陽介の帰還を待っていたのだ。

 陽介がいない間にアルザードのメンバーは近いうちに戦争が起こるかもしれない国々の調査と陽介との攻撃をうまく合わせるための攻撃陣営の見直しなどどちらかというと実戦よりも戦略的な活動が多かったのだ。

 そして魔法の神官がインテグラリッシュ王国に陽介の様子を見に行くたびに、陽介の成長っぷりを楽しそうに話すのを見て、陽介が帰ってくるのが待ちきれなかったのである。

 エリスも柊もすごく楽しみにしていたが、一番陽介の帰りを待っていたのはイザベラであった。

 

 「ねえねえ。インテグラリッシュ王国どうだった~?」

 「インテグラリッシュ王国ってどんなところだった?」

 「インテグラリッシュ王国の国王どんな人?イケメン?」

 「陽介。お前でっかくなったな~。」

 

 などみんなからとにかく質問攻めにあった。

 ただ陽介はやっと自分のホームに戻ってきたという感じがして凄く懐かしい思いがした。

 

 「俺がいなかった二カ月半...。皆さんは何してたんです...?」

 「私たちは基本敵国となりうる国々の調査を行っていましたわ。特にアンドロメダ皇国にヘリーズ辺境教会自治区ですかね...。」

 「いや柊。忘れちゃいけないぜ。インテグラリッシュ王国も調査対象だ。陽介。お前はインテグラリッシュ王国で色んなものを見て学んできたと思う。少しでも怪しいことがあったら俺に教えてくれないか。ていうかここで喋ってくれないか。」

 「リーダー...。え~。インテグラリッシュ王国は国王を中心とした超近代的国家といった表現が正しいでしょうか...。街並みとかはビルが建っててかなり綺麗でした。俺が言える情報はそんなものですかね...。」

 「陽介。お前本当にそれだけしか記憶がないのか?帰るときに何かされたとかはないよな?」

 「特に記憶がないですね...。でもなんか国の仕組みみたいな大事なことだけ全く記憶がなくて...。」

 「陽介、ちょっとそこに立て。俺の術式でお前にかかっている術式を解く。外魔法解除(マジックリライアス)。やっぱりだ。お前は何かの術式をかけられてからこっちに転送されてる。」

 「それはどういう意味だ恭介。」

 「これは炎系統の魔術師によるかなり高度な術式だ。インテグラリッシュ王国を出るとそこで得た大切な記憶がすべて消し飛ぶようになっている。幸い戦闘行為に対する記憶は消されていないが、スパイとしての陽介の役割は半分バレてたってことか...。恐らくエリスよりも高度な炎の操作ができるだろうな...。」

 「私よりも高度...。誰か炎系統の強力な魔術師に絡んでないか陽介。必ず私が潰す。」

 「エリス、炎には水ですわ。このイザベラも参戦しますわ。」

 「まあ待てお前ら。陽介に思い当たる節を聞こうぜ。もう術式は解いた。すぐに記憶も戻るはずだ。」

  

 強力な炎系統の魔術師というと誰だ...。

 全く記憶がない...。 

 ただ湿地帯で戦った時には炎が見えた...。

 秘密迷宮では...見てないか...。

 あの人だ...。

 きっとあの人なんだけど全然思い出せねぇ...。

 誰なんだあの人は...。

 

 「陽介は何をそんなに難しい顔をしていますの~?」

 「魔法の神官。実は陽介がこちらに送られてくる際にインテグラリッシュ王国の重要事項を記憶から消されているんです。俺の術式でその術式は解除いたしましたが...。」

 「なるほどね~。で、どんな魔術だったわけ?」

 「炎系統の魔術ですね...。若干その上に光系統の魔術が重なっているかなり複雑な術式でしたね...。」

 「なるほどね~。なら春香未来とアブドゥル=ハピダルがやっぱり怪しいわね~。念のために盗聴用の術式を仕込んでおいたんだけど~。そんな会話あったから寝てる間とかに仕込まれてる可能性もあるわ~。」

 「春香未来...。そうだ。その人だ。俺に魔術を教えてくれた人。戦い方を教えてくれた人。だからその人は悪い人じゃない。」

 「陽介~。貴方は術式をかけられてまで記憶を消された人間よ~。もしかしたら向こうで殺されていたかもしれないわ~。貴方が春香に恩があるのは分かってることだけど~。」

 「でもあの人はいい人だ。そんなこそするはずない。絶対だ。これ以上春香のこと悪人扱いしたら俺はここでインテグラリッシュ王国の配下となるからな。」

 「恭介~。陽介洗脳もされてるみたいだわ~。ちょっと解いてあげなさ~い。」

 「魔法の神官...。実は私...。洗脳までは持ち合わせてはおりませんのです...。」

 「え...。恭介ならできると思ってたのに...。ならちょっと結界を張ってちょうだい。」

 「かしこまりました。フィールド展開。ここに対外魔法用区間を設ける。魔法の神官。あとは頼みます。」

 「任されたわ~。外洗脳解除(アンチブレインソース)。この術式により個体名、佐藤陽介にかかっている対外魔術は全て解かれ、そのものはすべて私の手中に陥る。」


 パリーン

 

 陽介の頭の中で何かが割れたような感覚がした瞬間、インテグラリッシュ王国での記憶も自分の意思もすべてが戻ってきた。

 そして陽介は目を開けた。

 すると目の前には両手を組んで詠唱を続けるアスケル=マリアーノの姿があった。

 どうやら陽介の脳細胞を完全復活させるための術式を、かかっていた洗脳術式を解きその上から自分の支配術式をかけてなおも陽介に術式をかけていたのだ。

 

 「記憶は戻ったか?陽介。」

 「リーダー...。一体俺は何を...。」

 「何があったかは気にするな。ただまたもう一つ戦争が近い。俺たちと一緒に戦えるか?」

 「そりゃもちろんですよ。だって俺のホームはここエクスパンドライズですから。」

 「そうだな...。心配はいらなさそうで何よりだ。疲れもあると思う。とりあえず部屋で休んでいてくれ。」

 

 葉山恭介は陽介のことをかなり心配していた。

 それはアスケル=マリアーノによって陽介には外からの洗脳系統の魔術から守る為の術式をかけられていたからである。 

 それが体に害を及ぼすことはほぼないが、若干の脳へのダメージはある。

 脳細胞を完全復活させる術式を発動したのは上書きした際に陽介の脳へのダメージが大きすぎるからそれを避けるためであった。

 

 ー教会内の全戦闘員に告ぐ。直ちに地下の大講義室へ集合しなさい。ー


 しばらくすると放送があり、全員が大講義室へと集められたのであった。

ご覧いただきありがとうございます。

こちらの作品は不定期更新となっております。

また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。

また、本作品はTwitterでの投稿告知を行っておりますので是非「転生魔術師の覇道譚」(@tenseimajutsusi)で検索していただけると助かります。

今後ともよろしくお願いします。

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