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転生魔術師の覇道譚  作者: 蒼翔ユウキ
第一章~冒険者ギルド編~
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第10話~開戦前~

 ものすごく厳かな雰囲気の大講義室に教会関係者と思われる人が数えられないくらいいた。

 その中でも中心の豪華な椅子に座っている魔法の神官はすごく目立っている。


 「みんな緊急の呼び出しにも応じてくれて感謝するわ。その内容なんだけど端的に言うとエステイミール教自治区が我がエクスパンドライズに対して宣戦布告したわ。名目は双方技術者の回収。つまり佐藤陽介の略奪というところが目的とみられるわ。そのついでに我々の領に侵略して自分たちの勢力圏の拡大という所が挙げられるわ。もちろんそれに対抗して戦争となるわ。領地にいる全ての民を安全に導くため全部隊配備したうえで私個人の意見では陽介はここで匿っておきたいという意見なんだけどどうかしら。」

 「アルザード、リーダーの葉山です。神官、今回の敵勢力は我々よりもかなり小規模であり、戦闘に対する被害も恐らく最小、いや。無に等しいといったところでしょう。今回の戦闘行為に佐藤陽介を連れ出して一つ経験を積ませてみてもいいかもしれません。」

 「恭介の言いたいことはよくわかるわ。でも今回の戦争の鍵は陽介が握ってて、陽介を失うことが我々にとっての敗北を意味するともいえるわ。我々が成すことはあくまでも防衛行為よ。大した損害を生まないとしても陽介の存在が世の中に知れ渡るほうが危険だわ。」

「そのようなことは理解してます。しかし戦争が起こったと世間が認知すればいずれ世界中に陽介の存在は早かれ遅かれ知れ渡ることとなります。また、陽介は魔術師であり瞬間移動者でもあります。いざという時には緊急での回避という所の能力の活用も実戦の上で習得しています。陽介個人を最前線に出しても失うリスクは低いと考えられます。それに陽介については全力でカバーするのでそこはご心配なく。」

 「恭介の言いたいことはよく分かるわ。ただ本当に大丈夫なのかしら。陽介のことだし能力は成長してはいるけどこの世界に来てまだ短いわけよ~。せっかく手にした双方技術者をこんなところで手放すわけにはいかないってことですのよ。」

 「魔法の神官。ちょっといいですか...。俺はここの教会に助けられたし、能力の開発だって手伝って貰った。能力を使いこなすのもかなりスムーズにできるし、まだ使ってない必殺技も使ってみたい。この戦闘で少しでも経験を積みたいんだ。それに俺には頼れる仲間だっている。だからお願いします!俺を戦場に立たせてください!」

 

 俺が言い放ったあとに地ならしの様な歓声が起こった。

 おそらく俺の言葉に皆が賛同している証であろう。

 この歓声には魔法の神官も顔を歪ませていた。


 「分かったわ。ここに佐藤陽介の出陣を命じる。部隊名アルザードの一員として精一杯勝利に貢献しなさい。それに必ずここに全員で帰ってくると誓いなさい。」

 「はい!」


 魔法の神官の言葉により、今までにないくらいやる気が漲ってきた。

 それは俺だけでなく、ここにいる全ての人々も同じであった。


 「これより行軍路及び軍事的命令を行う。まずアルザードはここ教会前の45番線をひたすら突き進んだらC地区の森の中へ入れ。そのまま森を抜けるまで直進を続けて、抜け次第草原を見下ろす形で丘の上で待機しろ。続いてロジェスタンス。ロジェスタンスはアルザードに続いて侵攻した後に後方支援に徹してくれ。相手の敵数によっては戦闘に参加することも許可するが、自分自身のできることに徹しろ。次にステピックムーブは敵国との境にて待機しろ。流れて来た敵勢力を徹底的の排除するぞ。基本は木の上や丘の上に待機して敵を確認次第殲滅行動に移れ。そして残った部隊は領内の安全確保と我とともにこの教会の防衛に徹する。2日後の0時丁度に戦闘行動開始とする。」

 

 魔法の神官の言葉と同時に全員が立ち上がった。

 彼女の長としての能力は素晴らしいものである。

 さらに心理掌握術式によって最終的にはすべてを意のままに流動できるといったリーダーであると考えると非常に厄介な存在である。

 子どもっぽい見た目には合わない統率力と言葉の巧みさ、責任力、その他団体の長に必要と言われるスキルをマスターしていると言っても過言ではない。

 

 

 しばらく一本道を歩いているといかにも幽霊の出そうな森の中に入った。

 足場も舗装されていない、まるで獣道のようなところを通っていくことになっている。

 「お前ら!ここは普段倒しているような敵もいるから気を付けて行けよ。なるべく戦闘は最小限にして明日に体力を残しておけ!襲ってこない敵は相手しなくてもいい...っておい!何やってんだお前ら!」

 「なんか敵いたんで倒してました~。いつもの敵よりも簡単でしたよ~。」

 「みんな調子は絶好調みたいでサクサク~っと倒してましたよ!」

 「俺も調子いいかも!なんかめっちゃ体動きますよ!」

 「私もなんかいつもよりも火力強いかも~。この森林一帯燃やせそうかも!」

 「お前ら...。忠告しようとしたらいきなりこれかよ。俺の言うことガン無視かよ...。まあこれが普段のお前ららしくていいかもしれんな...。ハハハ...。」

 「この調子で瞬殺しちゃうぞ~!」

 「オーーー!!」

 「お前ら...。まじでずっと元気じゃん...。俺もうそのテンションついてけないよ...。もしかして...。もう俺、歳なのか...。まだ30歳...。まだじゃなくてもうだったり...。」

 「え!リーダーもう30だったんですか?!俺全然そんな風には見えなかったですよ~!」

 「だって肌はピチピチだし可愛い感じの顔してるしゴリマッチョだし~。なのに攻撃魔法ほとんど使えないって...。」


 大きな声で笑いあいながら開戦前とは思えないくらいに楽しく険しい道を進んでいった。

 感覚的にはどこかショッピングモールをみんなでワイワイ歩いているような感じがした。

 そんな道をしばらく歩いていると、かなり拓けたところに出た。


 「ここが戦場となる草原だ。総員。この丘の上で定刻まで待機しろ。地の利を生かした戦いになる。敵は必ずこの草原に現れるからそれをこの上から狙い撃つのだ。って魔法の神官が言ってだぞ~。でも心配すんな。お前らには俺と碧依がサポートにいる。それにロジェスタンスもいるんだ。何も気にすることなく思いっきり戦ってこい。最後に円陣組んで持ち場につくぞ。」

 ロジェスタンスと一緒に円陣を組んだ。

 アルザードに比べて人数がかなり多いロジェスタンスが後方支援に回っていることを考えると、非常に楽な気持ちで戦えると魔法の神官は考えたのであろう。

 これが俺、佐藤陽介にとっての実戦デビューであり、初めての大舞台となる。

 

 「総員戦闘態勢に入れ!」

 通信により魔法の神官から伝えられたその合図とともに、バフ付与系の魔術師が多く所属しているロジェスタンスのメンバーがフィールドの結界を張り、相手の外部からの魔法攻撃の干渉を一切拒絶した。

 さらに葉山恭介から属性攻撃力上昇バフを、柊からは防御・回復速度上昇バフを受けた。

 「準備は整ったな...。定刻まで5,4,3,2...戦闘開始!」

 

 その合図とともにエリスとイザベラは数百という敵の前に飛び出した。

 

 ー とうとう開戦か...。俺の伝説はここから始まるんだ!

 「天の神よ、我が剣に力を与えよ。光に纏われしこの身を捧げ現出せよ。この世の光栄なる光よ、この剣に宿れ。光の大太刀(ライトニングブレイズ)!」

ご覧いただきありがとうございます。

こちらの作品は不定期更新となっております。

また作者の語彙力のなさなど思うところはたくさんあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。

また、本作品はTwitterでの投稿告知を行っておりますので是非「転生魔術師の覇道譚」(@tenseimajutsusi)で検索していただけると助かります。

今後ともよろしくお願いします。

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