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柊高校物語  作者: 萌葱
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溢れる2

 どうしよう、やっぱり、まだ先輩が凄く好きだ。

 追い詰めたら駄目だ、気持ちをあからさまにしてしまった以上、もう側に居られないって……思うのに。

 僕の気持ちが重くない? 考えようによってはとても残酷な答えだと思うのに、先輩が一生懸命に出した答えなのは判って、それを、嬉しいと思ってしまう。

 それだけで良いって思う僕は駄目なのかな? 寂しいとか言われたら、離れたくないと思ってしまう、先輩を追い詰めたら駄目だって掛けてたブレーキが、削られていく。

 

 女の子達に囲まれている先輩を見て頭に血が上った。

 加賀先輩の名前を出されて、気持ちが抑えきれなくなった。

 全部、僕の未熟さ……これ以上傷つけない為に離れるしか無いって、覚悟した。


 だけど、先輩は、重くないって、寂しいと言ってくれた。

 僕は、つけ込んでも良いのかな? 貴方の心に少しでも、僕が染められる余地が有るのなら。

「僕……先輩の側にまだ、居ても、良いんですか?」

「私は、居て欲しいって、思うよ? でも、楓君がもう居られないって言うなら、止めることは出来ないから」

 勘違いしちゃ駄目って判っているし、勘違いしようが無いほどの先輩の鈍さなんて骨身に染みている……だからこそ、純粋に判る事もある。

 先輩は僕を大切だって思ってくれてるって事、それだけは……。

「僕、本当に先輩が好きです、一緒にゲームしたり、ご飯食べたり、勉強を教えて貰ったり、凄く楽しくて、嬉しくて……初詣の時、僕の手を取ってくれた時のこと、今でも、忘れられなくて……っ」

 抑えていた想いが溢れていくのが判る、気持ちを押しつけるのは駄目だって思うのに、自分でも止められなくて

「………ありがとう」

 そんな僕の髪にそっと躊躇うように先輩は触れてくれた

「ごめんね、私も楓君は大好きなんだよ? ただ、そういう気持ちが分からない私がポンコツなだけで……」

「判らなくても良いです、これから受験勉強で忙しくなる先輩の邪魔はしません、だから……時々、息抜きしたいなって思う時で良いので、僕との時間をくれませんか?」

「そんなの、私にとって都合が良いだけじゃ無い?」

「いいえ、先輩と出会った時から僕の優先順位の1番は先輩です、それは何も変わらないので」

 きっぱりと答えると先輩はふっと力を抜いてくれたように感じて

「受験勉強、目処付いたら、また一緒にゲームしてくれる?」

 少し悪戯っぽく聞いてくれるのに嬉しくなる

「望むところです」

「こらこら、私の受験勉強の目処が付く頃には君が受験だけど?」

「優先順位は変わりません」

「そんな、危ないことをきっぱりと言っちゃうかな」

「貴方との時間を作る為の努力なら、惜しみませんし」

 先輩のくれた空気感に乗って軽口をたたき合いながら、驚く。

 心のままに言葉にする事って、こんなに楽なんだって。

 大好きって気持ちを隠さずに口にして、先輩はそれに少し呆れたように、ちょっぴり困ったように笑ってくれて……でも、多分嫌だとか、うるさいとかは思わず、受け止めてくれている。


 思いもがけずこんな薄暗い場所で何の心の準備も無く告げてしまった想い。

 すべてが計算外で口にしてしまった時は覚悟もしなきゃって思ったのに、先輩は僕がいないと寂しいって、居て良いんだよって……そして僕は後輩では無くて、先輩を大好きな楓としてこれからは側に居ることが出来る。

 どれだけ手を伸ばしても届かないと思っていた1年の違い。

 若しかしたら、その立場を手放せばもう少し違う形で先輩の隣に並べるのかもしれない。

 そんな事を、ふと思った。

 

いつも読んで頂きありがとうございます。

毎週upすると読んで下さる方が居ることにとても励まされています。

ですのに非常に心苦しいのですが、ちょっとこの先に迷っています。

書き上げた部分はあるのですが、うーむ……となってまして。

じっくり練りたいのですが、1年で1番過酷な7.8月が来てしまいまして少し不定期になるかお休みを頂くかもしれません。

ひとまず来週月曜upをめざし、無理な時は予定等を活動報告の方に上げさせて頂く形にしようかと思っています。

よろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] これぞ優穂ちゃん、という感じですね。 でも、だからこそ、自分と同じ想いを返して貰えなくても、拒絶されないことが嬉しいって思えるんでしょうね。 「過酷」とおっしゃるくらいお忙しい時期のようです…
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