おでかけ3
ただいま戻りました。
中々ぶった切りな所で止めてしまったままごめんなさい。
まだ中々忙しく色々ありはするのですが、細かいところは後書きに致しますので、取りあえずは漸くできた続き、読んで頂けましたら嬉しいです。
「よ! 裕一郎、どんな感じだ?」
「げっ、貴文」
楠の返答を待ってたら、突然肩に手が回った。
「げっ、て、なんだよ? 折角書類まで準備してやったのに、まさか挨拶もなしに帰る気じゃないよな?」
「貴文さん、でしたよね? ここの見学手配して下さったとか、ありがとうございました」
「君は、楠さん?……そっか、その格好はNARUMIにお世話になったんだね、どうだった?」
「驚きました、こんな風にして頂けたこともですけれど、それ以上に、ああいう場所があるんだって言うことに」
「ふぅ……ん、なら、君の目に皇樹は、どう映った? 楽しめたかな」
「えっと……」
突然の質問に言葉を探し出す楠、だがそれ以前に俺のこいつへの質問が先だ。
「貴文? 何でここにる? 今日忙しいって言ってなかったか?」
「そうだよ? お前が来るから」
「は?」
「可愛い再従兄弟が初めてこんなとこまで連れこん……っ! ちょ? 裕一郎?」
「わりぃ、楠、ちょっとこいつと話つけるからココ居てくれねぇ?」
「ん? 判った」
余計なことを言おうとするのをずるずると、取りあえず力ずくで少し離れたところまで引っ張ってく。
身長も体重も殆ど変わらねー相手だけに100パーの力ずくじゃ無理だろうが、俺の本気は伝わったんだろう、素直に引っ張られるまま数個ほど先のテーブルまで付いてきた。
「何しに来た?」
「え? だって珍しいコトするから、お前ココに来るったって、書類なんぞ通した事無いだろ? いっつも堂々と通ってきて、俺が止められたら面倒だから一応書いとけって言っても、そんときゃお前呼べばいーだろ? とか言いやがって、だからどんなVIP連れてくんのかって」
やられた……………貴文に頼んだ2人分の入校許可証、やけにすんなり行ったと思えば、あのさらっとした了解の裏には、こんなギラギラの好奇心があったとは。
「これからはちゃんと書類書く、だから帰ってくれねぇ?」
「逆に聞くけどさ、このシチュエーションで、お前ならおとなしく帰る?」
「……」
「おかえりなさい」
そして、同じテーブルに戻って来た俺たちに楠はさらっとそんな言葉を言ったりして
「ただいま」
その言葉は俺が言うべきと思うのだが、貴文はしれっと答えて、この席に戻る途中で呼び止めたウェイターがさすがの早さで持ってきたコーヒーに口を付ける、諸々色々突っ込みたい言葉はあったけれど
「えっと……許可証、ありがとうございました、見学楽しかったです、ただどう映ったか……って言うのは、難しいですね」
どうやらひとり残していた間に、律儀にさっきの質問を考えていたらしい言葉にそれらは取りあえずしまい込む事にする
「私、最初はここは加賀君の下見と思ってたんです、でもさっき私に見せたかったって聞いて、この場所を自分の居場所として考えると……魅力的ではあるけれど、そぐうかな? って……」
「確かにここの偏差値は中々だが、俺はお前が届かねーとは思ってねぇけど?」
「……君が言ってるのは、学力では無く分相応か、みたいな事かな?」
……っ? どういう意味だ? ここは確かに色々馬鹿高い大学だが、基本的に学力さえ伴えば一般に開かれた場所の筈だ
「そう、ですね、ここに普段着でなじめる彼とNARUMIさんの力が必要な私、そこが問題ですよね?」
「そん……な、意味は」
本当にそんな気持ちは無かった、制服じゃ悪目立ちするし、かと言ってパーカーやジーンズじゃ落ち着かねーし、だからってどんな場所か先に言うのはしたくなかった。
……それに、あの着物姿を見たとき、すげー綺麗で、目が離せないと同時に、ちょっと焦った。
瀬文家の着物を着せられて、あの家に馴染んだように微笑んで居たから。
だから、俺の知る店で、俺がこれから通うはずの場所に馴染む格好をさせたかった。
好きな奴を自分の色に染めてみたい……それだけの事だったはずなのに。
だけど、分不相応なんて言い出す貴文と、それに頷く楠の前に俺は自分の考えの浅さを思い知らされた気がした。
まるっとひと月お休みを頂いてしまいすみません。
なんとか週1ペースのひと月分は上がり、何となくの筋道は見えました。
ただ何分時間が取れず、その後はまたお時間を頂いてしまうかもしれません。
またり気味にお付き合い頂ければ有り難く思います。




