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柊高校物語  作者: 萌葱
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およばれ

新年明けました、1月8日が来るのがこんなに早いとは……。

何とか、お約束通りの更新が出来まして、ホッとしております。

本年もよろしくお願い致します。


「ね! 楽しかったでしょ?」

「つまらないから行きたく無い、とか言ってた訳じゃ……」

「興味ないし、正月は家でゆっくりしたいって、そーゆー意味じゃん?」

 う……まぁ、そりゃそうか、確かに私、冬に呼ばれる栗田家からの別荘への誘いは、それが断りの言葉だった

「スキー楽しいでしょ? 今年こそ行くからね! 優穂と!」

「わかりました、了解……お世話になります」

 加奈子との攻防戦は良く有る事だし、私が折れる事も多々あるけれど、ことこの問題に関して私が頷くのは初めてで

「……加奈子?」

「な、何でもないから! 良かった! 今年はクリスマスもお正月も一緒だからね」

 了承した途端、急に潤んだような加奈子の瞳に驚いていたら、それを誤魔化すようにギュッと私に抱きついて

 心底ホッとしたようにそんな事を言われてしまった……。


「へー、栗田の別荘ってそっち?」

「うん、一族の出身地らしくて、毎年そこで冬過ごして集まってたりもするらしいよ」

「成程な、で、お前も冬休みはそこ行くって事か?」

「うん、まぁ、加奈子がやけに張り切ってくれてるし、そろそろ断るのも悪いかなーって」

「だろーな、お前呼びに行くまで、まーうるさいうるさい」

ははは……言ってたね、そんな事。

 私としては彼女の家族への依存に近い関係はやっぱ良くないと思っての事だったけど、加奈子的には冬休みの殆どを、家に籠ってゲーム三昧って私の事をずっと心配して居たらしくて……っても、ケーキ食べたりプレゼント貰ったり、それなりの事はしてたんだけどね、そりゃ大抵夜中だったりしたけど。

「じゃ、俺も今年はそっち方面行こうかな」

「ん?」

「俺のとこも冬は結構あちこち別荘だのホテルだの行って、スキーの合間にパーティーだのって感じだからさ」

「私が言うのも何だけど、親御さんとかはいいの?」

「あの、世話になった風邪の時あったろ? あれ以来隙みてはふたりで旅行とか行ってるからさ、なら、正月もそーしてやろーかなって」

 こーゆーとこ、やっぱ加賀は優しいよなって思う

「それは良い心がけだと思う、けど……寂しくない?」

「そうは言っても、ちょいちょいパーティーだので顔合わせるからな……それに」

「ん?」

「お前が近くいるなら、遊んでくれんだろ?」

 少しいたずらっぽいような笑顔にうっとなる、暇つぶしくらいいくらでも付き合ってあげたい、けど

「んと、お呼ばれの身なので、時間ある時なら?」

「いーさ、それで、思いっきり滑ろうぜ」

 その笑顔はすごく楽しげで

「ほんとスキー好きなんだね」

 思わず感心してしまったら

「お前も相変わらずだよな」

 何故だか、すごく呆れたって顔で、ため息をつかれた。


「あらあら……ら? これからのスキー男の子も一緒なの?」

「同じクラスの男子と約束してて」

「まぁ! 優穂ちゃんの彼氏?」

「いえいえいえ!? でも、ひとりでそこのホテルに泊まってるそうで、時間ある時は暇つぶしくらい付き合うよって約束したので」

「ご両親ふたりきりにさせたげたいんだって、中々面白いよ、加賀君」

「加奈子とも仲良いの? ねぇ!」

 きらりと光るカナママの瞳

「スキー終わったら夕飯ご招待して! ママは今日は出かけられないし……でも、その分腕は振るうわよ!」

「あー……誘っては、見るけど、確約は出来ないよ?」

 加奈子はやれやれとこっちを見るけど、カナママがこうなったら止まらないのはわかってるし、仕方ないよと頷いた。


「って訳で、良かったら我が家でご飯どうでしょう?」

「栗田の家?」

 合流して散々滑り倒した後でお茶しに入ったのは、スキー場に隣接したホテルのカフェ。

 加賀の宿泊先らしく、テラス席だからこのままで大丈夫とか言いながら、迷いの無い足取りでずんずん入っちゃったけど……ここって、中々の老舗ホテルと聞いた気がするんだけど。

「でも、ここってめちゃめちゃご飯美味しいんだよね、夕飯付きとかにしてるならキャンセル勿体ないかも? てか、そー言って断ってくれて良いから」

「いや、外行く時もあるし、色々面倒で予約にはしてねーけど、ってか、断った方が良いのか?」

「いや、私的にはどっちでも、来てくれれば楽しいと思うけど、ただ、そーゆーの負担でもあるでしょ?」

「んー、折角呼んでくれんなら、有り難く受けてーかな、ただ」

「ん?」

「あんまちゃんとした服とか持ってこなかったんだよな……パーティー用のスーツ? は、やりすぎだろうし」

「家だよ? 何それ? お嬢さんを下さいでもするん?」

「……スーツ? いっそ見てみたい」

 大袈裟だと噴き出す加奈子の横で、思わず呟いたら何故か加賀は私をちらりと睨んだけど

「そのままでいいよ、うち着いてから着替える服だけ持ってくれば? パーカーにジーンズとか、うちの中あったかいし帰りも車で送るし」

 その視線を、気楽に気楽にと手をひらひらさせる加奈子に向けると

「初めての家でそんなんしたら、2度と一人行動なんぞさせて貰え無くなる、せめてシャワー浴びて着替えてからにさせてくれ、6時くらいに行けば良いのか?」

「うちも迎え来るし一緒に行こう、6時で大丈夫だよ 着替えとかして来るなら私達それまで滑ってるよ」

「わかった、助かる、じゃ、俺もう上がるわ、車来るのホテル(ココ)の玄関か?」

「そうだけど……もう? まだ2時間もあるよ?」

 迎え時間を聞くと慌てたように席を立つ加賀にそう言ったけど、色々あんだよ、なんて言って本当にさっさと行ってしまった。




ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

この先、次の更新は用意があるのですが、その先に少し迷いがあり、少しお時間を頂いてしまうかもしれません。

今回の冬休みで少し構成を見直すつもりが、全くその時間が取れず……ごめんなさい。

次の更新1月15日となりますので、その時に予定をあげるつもりで居ます。

週1という元々亀ペースにもかかわらず、楽しみにして下さっている方、ごめんなさい。

時間の読み違い、誠に申し訳ありませんが、ちゃんと物語を進める為頑張っていきたいと思いますので、引き続きお付き合い頂けましたらとても嬉しいです。

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