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柊高校物語  作者: 萌葱
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ど・れ・に・し・よ・う・か・な・?

ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

今日中に出来たらもう1話あげたいと思っています

「では、ここでの『違和感』とは、何を指しますか? 楠さん」

「A……です、か?」

 塾の現国の授業中、よりによって一番自信の無かったところをピンポイントで指されて、恐る恐る答えたら先生に特大のため息と共にどうして、そう思いましたか? と言われた

「…………わからなかったので、天の神様に聞きました。」

 ど・れ・に・し・よ・う・か・な? って、アレ、正直に答えれば

「クッ……は、流石」

 後ろで吹き出しつつ呟くように言われた声、思わず反応したくなるけど我慢我慢。

「占いに頼らなくても良いようにする為に、私が居るのですけどね?」

 くすくすと教室から沸き上がる声、に少し恥ずかしくなる

「あれ選ばれたら、立つ瀬ないよなぁ」

 更に私にだけ聞こえるかどうかという小さな声に、ほっといてと心の中で答えつつ

「ま、良いでしょう、今日は此処まで、来週楠さんもう一度聞きます、そこ予習をしといてくださいね」

 そう釘をさして先生が出ていくのにホッとして、知らず緊張していたらしく力が抜けるのが判った

「災難だったな」

 案の定後ろから掛かる声には、明らかに揶揄いの響きがあって

「吹き出してた癖に」

 睨むと

「だって、お前面白すぎ」

 あっさりと返されて、むぅと黙りこむ。


 学校での話をしてから彼とは割と話す様になり、親しくなってみると大人っぽい容姿を裏切って、以外と軽口の多い男だった。

 饒舌って訳ではないけれど、無駄に早い頭の回転速度のたまものか、私を揶揄う言葉はぽんぽん出てきて、塾の度に交わしてきたこんなやりとりの結果、私の中で加賀くんは加賀になり彼の中で楠さんは楠と、まぁ、遠慮のない関係になった? って事なのかな? これは。


「ま、予習なら付き合ってやろうか? 次の授業の時、早く来ればな」

「ほんと?」

「ああ」

 けれど、抜群に成績の良い彼はこちらが詰まっているところは察して手を差し伸べてくれる優しさもあって怒りきれない。


「優穂ちゃん、行くよ~」

 奏ちゃんに呼ばれて

「じゃ、またね! ありがとう」

 そう言って教室を出ると

「優穂、さっきの問5、あれはない」

 詩織にまで突っ込まれた。

「だって、ぜんぜん見当つかなかったんだもん」

「優穂ちゃんは本当、読解と言うか人の感情のセレクトになると弱いね」

「自覚してます、今度加賀に教えてもらうよ」

 降参って両手を上げたら、詩織と奏ちゃんは目を見合わせてくす

りと笑った。

「え? 何?」

「何でも無い! さて、どこ行こっか?」


 塾の後の息抜きに時々3人でお茶をする、この切っ掛けはある日の奏ちゃんだった。

 ある日、帰ろうとしたら教室でポロポロ泣いているのを、詩織ちゃんと見つけてしまったんだ。

「いつもは我慢できるの、だけど、勉強の後は特に凄くお腹がすいて……また、我慢できなくなっちゃうのかな? って情けなくなっちゃって」

 奏ちゃんはその頃ダイエットをしては我慢できなくて、と言うのを繰り返してたらしい。

「ああ、それは脳みその栄養は糖分だけだからね? 当たり前の事よ」

「え?」

「ダイエットしたいならちゃんと知識付けなきゃダメだよ? 闇雲に我慢してない?」

 そこからつるつると流れる様に披露された関連知識に奏ちゃんはいつの間にか涙も乾いて

「すっごーい」

「ご、ごめん……つい」

 キラキラと尊敬の瞳で詩織を見ていて。

 詩織は詩織で時々読書でため込んだ知識が時々こんな風に暴走してしまうらしく顔を赤くしていて。

 我慢のしすぎは良くないよ? って事で時々こうやって塾の終わりにお茶をする事になったんだ。

 

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