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柊高校物語  作者: 萌葱
30/61

で? 何があるんだ?

今週もお付き合い頂きありがとうございます。

※前作、数字が少しおかしいのに気がつき微調整しました。

「女子高生ふたりそろっての会話がそれか?」

 クールと言えば聞こえは良いが、情緒の無いとも言えるふたりの会話に思わずため息が漏れる。

 教室で楠と栗田が劇がどうとか言ってるのが聞こえ、この感受性に難ありの奴が演技なんぞ出来るのかと興味本位で口を挟めば、楠は揶揄われるとでも思ったのか戸惑っているのが見て取れたが、栗田の方は興味ある? なんて言いつつサクサク見学を勧めて来た。

 その手回しの良さに、何かあるのか? とは思ったが……着くなり耳に入った言葉は、想像通りの女優適合性の無さを表す物で、この劇大丈夫かと余計な心配をしてしまう。


「ふぅん? じゃ、加賀は判るの?」

「……見れば嫉妬するって判ってても、目で追ったりしちまう、とかよ? よく聞くだろ?」

 ありがちな恋心のひとつをあげれば

「……んだよ?」

 心底驚いたって顔で見てくるから呆れてしまう

「覚え有るの?」

「……興味あんのか?」

「ん~、何かこう目の前で色々見てるとさ、ヒルダの初恋とジュラルドの見守る恋……は劇の中だけど、楓君のファンの子達もそれぞれで、ひとくちに『好き』と言ってもいろいろな形があるんだなぁって……だから、加賀はどんな風なのかな? って」

 その瞳に熱が無いのがこんなにキツいって、こいつに惚れて初めて知った。

 こんな風だって言えないまま隣に居る奴に、サンプルのひとつみたいに言われるのは、言ってもねーから仕方ねぇけど、業腹で

「……教えねぇ」

 これくらいの意地悪は許されるだろうと躱せば

「楠さん! 次行くよ!」

「あ! はい! 出ます」

 多分あっという間に、意識は舞台に引き戻されだんだろう、其の儘、幕の向こうに行ってしまった。


「あーと……ごめん、実は事情があって来て貰った」

「そんな気はした、で? 何があるんだ?」

「実はさ、この劇ね……」

 それで聞かされた、楠がこの劇に関わることになった経緯と不安要素

「それって、楠も狙われるって事か?」

「可能性は低いと思う、岬先輩が怪我した時点で優穂はキャスティングさえされていない、でも、理由もわからないし、ふたりとも舞台上では同じ格好をしているから、もしまだ何かあるなら巻き込まれるかも」

「……前の時は何で怪我したんだ?」

「古典的、剣のシーンで飛び回る場所の一角に石が転がってた、事故の可能性が高いけど、桜井は舞台上で跳ね回るの判ってるのにそんなところに小石転がすミスするなんて……って、でも、逆に言えば、わざとなら仲間を怪我させようとするのが居るってことにもなっちゃうから……」

「成る程、辛いとこだな、アイツも」

「危ないことに巻き込むなって、怒る?」

 なんてーか、この楠の幼なじみには、どうも俺の気持ちが透けて見えてるようで……

「まさか、そんなに何もかもから遠ざける権利は俺には無いだろ? あいつが関わるって決めたんだから」

「良かった、瀬文君は最初大反対だったから……」

「あー、目に浮かぶわ、ただ、確かに楓じゃカバーしきれねーから気持ちはわかる……もしかして、アイツが言ってきた?」

「うん、優穂がなんかやってるって分かれば、加賀君なら自発的に来てくれるって」

「やっぱ、かわいくねぇ……」

 まんまと乗せられたとは思うが、けなげだとも言える、わざわざあいつと居られる時間に俺を巻き込んででも守りたいと思い、ライバルにさえ託す……そんな事をちょっと前まで中学生だった奴がして見せるんだから。

 最近時々、1個上ってイニシアチブが揺らいでちょっと焦る。

 あいつとのゲーム交換にせっせと通ってた頃は、ちょっとかわいくねぇとこはあったが、まだまだガキだった、ってのに……。

続きは来週月曜日を予定しております

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