表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊高校物語  作者: 萌葱
22/61

すれ違いのじれ甘

最近は予約投稿を利用しているのですが、今回先に予約している方が消えてしまった為もしかしたら2重にになる可能性があります。

帰宅後確認しますがおかしなことになっていたらごめんなさい。

「加賀、いい本知らない?」

「感想文用か?」

 夏休みの宿題読書感想文、私の1番苦手なもの。

 先日から夏期講習の休み時間ごとに読んでいた小説は、読み終わったものの『感想』となると、どこから手を付けて良いのか判らなくなって……選択ミスをしみじみ自覚した昨日だった。

「終わったんだろ? アレ、感想文なんてオマケみたいなもんで、要はちゃんと読んだかの証明程度に考えて良いと思うが?」

「うん、だけど、原稿用紙が『全く』埋まらないのでは、流石にマズいかなって」

「まぁな? なんで寄りにもよって恋愛もん? って思っちゃいたが」

 加奈子に借りたのはここ最近のベストセラーで映画化もされるという話題の一冊。

 本そのものは漫画以外は何でも良いと言われているし、感情がメインのものなら『感想』って書きやすいかもって、思ったんだけど、ね

「あー、そーゆー発想だったわけか……んで、感想は?」

「思ってることははっきり言え」

「……多分、アレの醍醐味はソレできねーからこそのすれ違いって奴だと思うぜ?」

「帯にも有ったね、そんなキャッチコピー『すれ違いのじれ甘』がなんちゃらとか?……私はその醍醐味には辿り着けず、感想文1行で終わっちゃった。」

「まぁ、行間読む系の恋愛ものだしな、塾終わったら図書館でも行くか? 感想書きやすそうなの見てみようぜ」

「暑いのにごめん、飲み物くらい奢るから」


 図書館のあるビルにたどり着いて自動扉をくぐると、さっと冷えた空気が体を包んで……その心地よさに体の力が抜けて、そしたら良いことを思いついた

「出来るだけ短いのどうだろ! いっそ詩集とか?」

「あのな? 文字が少なくなればなるほど『意をくみ取る』とか難しいぞ? 俳句とか短歌とか得意だっけ?」

「……めっちゃ苦手です」

 でも、その思いつきは加賀に一蹴された

「知ってる、本来は適度な長さのわかりやすいテーマのある小説とかなんだろうけど……楠、時間あるか?」

「ん?」

「1本有名どころの短編解説してやる、それなら読み直すのも楽だし、俺もまるごと教えてやれる」

 ……こういう所、本当に面倒見が良くて、いつもの揶揄い癖はどこに行くんだろうと思う

「ありがたいけど……お礼、アイスで良い?」

 ジュースよりランクアップしてみるけど、いつもお礼出来てるのかな? 悪いなって思う、今日だって1、2冊おすすめの本でも教えてくれればって思ってたのに……。

「良いな、終わったら駅ビルのアイス屋行こうぜ?」

「む……」

「なんだよ? おまえよく行くじゃん?」

「思い出した、この前もお礼って言ったのに、加賀ってば私の分払ってくれちゃって……私、お礼出来てない!」

 そういえばそうだった、あの日の宿題、こんがらがった読解問題。

 ゆっくり紐解いてくれて、するすると解きほぐされた物語とその手腕に感動して、お礼するよって誘ったのに!

「……おまえさ、楓とかに甘い癖に、甘やかされるって苦手だよな?」

 困ったようにそんなことを言われて吃驚してしまう

「私が加賀にお礼をする理由はあっても、加賀が私にお礼を言う事なんてあんまり無いでしょう?」

「俺がお前を甘やかしてぇ……とか思ってるって言ったら?」

 私を……甘やかす? 加賀には確かに勉強教えてもらったり、頼ってしまっている部分はある……だけど、それを当たり前って思うのは駄目だと思っている。

 同学年の友達なのに頼りすぎたら、対等でいられない、だから、それは受け取れない、かな?

 私は加賀の後輩でもないし、ちゃんと友達でいたいって答えたら、くすりと……加賀にしては気弱に笑って。

「はいはい、今日はちゃんと礼を受け取るよ」

 何でかな? 受け取ってくれるって言うのはホッとするんだけど、どこか苦しげなのがちょっと引っかかった 

少しタイトルで遊んで見ました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=134852450&size=88
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ