もしかして、お似合いなのかも?
おはようございます、今から出かけてしまうので、いっそ早朝更新にしてしまいました。
つづきはまた来週の予定でいます、宜しくお願い致します。
「くぅぅ〜!! 漸く! だよ!」
「うんうん、私も嬉しい、だから落ち着いて」
「だって! 11年よ? 11年!! 途中優穂ってばクラスどころか高校さえ離れていきそうになるし、どんだけヒヤヒヤしたか」
あ、やばい、そっちの話になると、また私の現国がどうだかって話になる……。
「よ! 一緒だな」
「加賀!」
「栗田も漸く念願叶ったな」
「加賀君も一緒だね、良い良い! 楽しくなりそう!」
「優穂ちゃーん……」
そんな話をしてたら、後ろからどよんと悲しげな渚の声
「離れちゃった……昨日寝る前もいっぱいお祈りしたのに」
その声も瞳も潤んでて慌ててしまう
「でも、ほら! 隣のクラスだよ、ちゃんと会いに行く! 約束するから」
「本当ね? 私も行くからね、絶対よ?」
「うんうん」
「家にも来てね、いつでも良いから!」
「行く行く、クラスが離れた位では何も変らないよ」
「うんうん、優穂は10年間違うクラスだったけど、私を捨てやしなかった、瀬文さんもそこは信じて良い」
「捨てっ……て! あのね、渚、大丈夫、渚が会いたいって思ってくれる限り、私は離れない、前に悲しい想いさせちゃったものね? もう、あんな事は絶対しないから」
「……優穂、私の時となんか態度違わない?」
横で加奈子のボソボソとした声が聞こえたけど気にしない
「うん……」
「渚さえ良かったら、また家にも来て? あんなんで良かったらご飯も作るから」
すると、渚はやっとふっと笑ってくれて
「本当? 照り焼き食べたい」
「……他にもレシピあるんだけどね、でも、食べたいなら作るよ」
やがて渚はこくんと頷き、私にぎゅっと抱きつくと、ゆっくり大きく息をして
「判った、私も優穂ちゃんに心配掛けないように、頑張る」
そんな健気なことを呟くと、漸く新しいクラスで待つ友達のところへ向かってくれた。
「……お前、甘いの楓だけじゃねーんだな、イトコの方もかよ」
「そんな事ないよ、慰めただけじゃん」
「優穂、私の時あんな優しくなかった!」
「加奈子にあんな言い方したら、絶対気持ち悪いとか言う」
「そんな事ない、私も優しくされたかった!」
「してる、ちゃんと!」
「えー、あんな優しい声聞いた事ないんですけど?」
妙に絡んでくる加奈子としてるしてないなんて繰り言をしてるのに疲れて
「あーもー、じゃあどうして欲しいの?」
すると、加奈子はニヤッと笑って
「久々に私も優穂のご飯、食べたいな? 加賀君もどう?」
「何で加賀まで声かけてるんだよ」
「ん? 折角同じクラスになったし、優穂の仲良しなら色々話聞いてみたいし?」
「別にこれから幾らだってそんな事……気にしないで、加賀、貴重な週末潰す事じゃない」
「ん? お前が良いなら、乗ろうかな? 楠と料理って、結びつかなくて逆に気になる」
こっちまでニヤッと笑う。
妙に気が合ってる様子にふと思い出す、そういえばいつかの私の体調不良……彼は栗田ん家に電話すりゃいーんだろ? なんて言ってたし、あの後寝込んでしまったから確認もしてなかったけど、つまりそれなりに交流がある、って事か?
「仲良いね」
どこか共通点を感じる癖のある笑顔で私を見つめるふたり……以外と相性良いのかもしれない
「え?」
「あ?」
うん、揃ってぽかんとこちらを見る姿に……なんか、もしかして、お似合いなのかも? なんて、それは中々良い考えに思えた
「ok ふたりの都合の良い日決めておいて」
「……何か、妙に物わかり良くない?」
「そう? 加奈子のお眼鏡にかなう男子って中々貴重だし、良い機会……っ」
折角気を遣った私に、黙れというように極上のにっこり笑顔を見せた加奈子
艶々のワンレンヘアが大人っぽいと評判の、わりと美人さんなこの幼馴染は、しかしその笑顔が輝くほど恐ろしくなることが多い。
私の言葉の何が気に障ったかわからないけれど、経験上こんな時こそよく動く艶やかな唇が発する言葉の破壊力に覚悟はしたものの……
「おかしな気を回すんじゃない、この感受性残念娘」
「……っ!!」
「……ぶはっ」
あまりと言えば余りの発言に固まった私の頭上では加賀の吹出す音も聞こえて……正直、このふたりと同じクラスってちょっと面倒な事になったのかもって、思った。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。




