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柊高校物語  作者: 萌葱
15/61

お礼しないと

何とかもう1本行けました。

次作は月曜日の夜投稿を目指します。

心苦しいのですが、この先文章の整えと、筋道の見直しと、リアル多忙が重なりまして、週1更新になります。

原則月曜日の夜を考えています。

引き続きお付き合い頂けましたら嬉しいです。

「優穂先輩!」

 塾のロビーで楓君に声をかけられて、思わずドキリとする。

 少し迷いつつ振り向けば、その嬉しげな表情に出会って……凄くホッとした

「合格しました、これで本当に先輩ですね!」

「おめでとう!」

 いっそぎゅってしたくなるけど、この前加賀に怒られたし……頭を撫ぜるくらいなら大丈夫かな?

「何をするつもりだ? 楠、やめとけ」

 でも、手を伸ばそうとして加賀に止められた。

「良かったな、楓、そんな心配はしてなかったが」

「ありがとうございます、無事後輩になれました」

「そっか、じゃ、ここは辞めちゃうのかな? これからは高校で会えるけどね」

 入試が終われば塾を辞める人は多い。

 高1の最初からだと加賀みたいになんか訳ありぽい人か、元々その先に目標がある人とか? ……辞めたものの、再度通い始めた私みたいのも居るけどね

「いえ……それが、僕ここに来て急に成績上がったんですよね、辞めたら授業ついてけなくなるんじゃ? って心配されてて」

「クッ……お前相当緩めてたんだな」

 なにやら加賀は愉快げに笑ってるけど

「んー、折角合格したのに塾通いか~、大変だね」

「いえ、でも、(ここ)は好きですし、それより、先輩!」

「ん? 何?」

「今1番のオススメ! 何ですか?」

 流石に1月に入ってからは真面目にゲームを完全封印してた楓君はキラキラと期待に顔を輝かせていた。


「うーん、あ!お正月に出たRPGがすごく良くてね、丁度この前終わったんだ、かなりやりこんだから当分起動はしないし貸してあげるよ、渚に渡せば良い? 好みじゃなければ他に貸せるのもあるけど、楓君あれ好きだと思う」

「ありがとうございます、でも、僕先輩の塾の日にここにとりに来ても良いですか?」

「ここに? 電車乗ってわざわざは電車賃勿体なくない?」

「いえ、入学祝いにマウンテンバイク買ってもらったんです! これからは塾も高校もこれで行こうかなって、今日も乗って来ちゃいました」

「おー! 新品? 見せて見せて!」

「良いですよ、僕もお披露目したいです、あ! あと先輩に聞きたいこと、もう一つあったんです」

「ん?」

「先輩から頂いた鉛筆、天神様のなんですよね? 自転車で行ったって聞いてたから、合格したらお礼しないとって思ってて」

 ……何という心がけ! 加賀には甘いって言われるけど、ついついお姉さんをしたくなってしまう

「あ、じゃぁ、今度、放課後待ち合わせして天神様行かない? その時ゲームソフトも持ってくるよ」

「良いんですか?」

 嬉しいって顔全体に書いてあるような笑顔に、私まで嬉しくなる。 この明るさにあの頃もずっと慰められていた……、私こそ彼に感謝しないとなって思うんだけど。

「おーおー、また甘やかせて」

「だって良い子だよ、ちゃんと合格して、お礼までって」

「子ってお前な……まぁ、先行ってるぞ」

 加賀は、すぐ何だかんだと言ってくるんだから

「先輩、いつなら良いですか? 僕今週はいつでも大丈夫です」

「なら、明日にする? 早くゲームもしたいでしょうし、明日は塾ないし」

「はい! 放課後ここの駐輪場で待ち合わせで良いですか?」

「判った、急がないで良いから気をつけて来てね?」

 

 ああ、本当に良かった……受験前なのに渚とのいざこざに巻き込むは、風邪を移しそうにもなるしで、私は随分やらかしていたと思う。

 塾に入ってから吃驚するほど成績は上がったらしいけど、受験は1回だけのものだから……彼の頑張りも勿論あっただろうけど神様ありがとうと素直に思ってしまう。

 そうだ、これから自転車通学するのなら、楓君にも交通安全のお守り買って渡そうかな? 加賀には、また甘いって言われそうだけど。

 

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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