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柊高校物語  作者: 萌葱
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た・べ・た・い!!

少し文章がくどく感じたので再度手を入れましたが内容は同じです。


展開が駆け足気味かなと思いはするのですが、もう少し先の話を早く出したくて……中々悩みます。

次話は金曜日に予定しています、よろしくお願いします。

「まぁまぁ! 久しぶりね? またちょっと大きくなったかしら?」

 数ヶ月ぶりの渚の家、玄関には渚と楓君の横ににこにこととても嬉しげな渚のお母さんまで出迎えてくれて……ありがたくも何だか申し訳ない。


 応接室で振る舞われたのは手作りだというさくさくほろりな食感が絶妙のクッキーと香り高い紅茶

「クッキーは渚が作ったの! 料理得意な叔母様に教わってね、これなら大丈夫って合格貰ったのだけど」

「美味しい! 凄いね、才能有るよ、私は普通のご飯とかは兎も角、お菓子は全然だし」

「優穂ちゃんお料理するの!?」

「って程じゃないけどね、うち共働きだから、ご飯は作ること多いの……って、え? なに?」

 言った途端部屋の空気が変った気がして居ると

「「食べたい!」」

 何故か渚と一緒に楓君まで口をそろえて

「あー、普通のご飯だよ? 鳥の照り焼きとか? お味噌汁とか? 簡単な……」

「「た・べ・た・い!!」」

 ……何なんだろう? この息のあいようは?

「い……いけど? 土曜の昼はいつも一人だし、簡単なモノで文句言わないって言うなら作るよ、いつもおうちにお邪魔させてもらってるし」

 強く抵抗するほどのモノでもなしって軽い気持ちで言ったんだけど、それってハイテンションでハイタッチするほどの事なんだろうか?


 テーブルに3人分の食事を並べ、そろって席に着いて、どうぞと声を掛けたら、両手を合わせる同じ仕草で同時に

「「いただきます!」」

 って、なんでこのふたり、この件に関してはこんなに息がぴったりなんだろう?

 ……鳥の照り焼きにほうれん草のソテー、わかめと卵のスープとご飯、お昼にしたら手を掛けたのは、あの日名前を出した鳥の照り焼きにふたりが執着したから。

 いや、しかし……

 今日の渚は長い髪を下ろしてたんだけど、いただきますの前に髪を束ねて居たし、楓君も最近ちょっと襟足が伸びていたところを細いゴムで縛って、もくもくもくもく……って、従姉弟(いとこ)同士でなく実は双子か? って疑いたくなるシンクロ率でひたすらご飯を食べている。

 いつも割とおしゃべりなのに、コメントのひとつも無いのにちょっと心配になって、照り焼きをひとくち、ついでスープも飲んでみる、うん、大丈夫いつもの味。

 なら、なんで、こんな無言で? 敢えて感想を聞くメニューでもないし、って眺めていると、沈黙のまま半分ほど食べ進んだところで、これまた同時にお茶を飲んだふたりは、漸く喋るために口を使う気になったらしい

「すっごく美味しい! 凄いよ優穂ちゃん」

「本当に料理上手ですよね! 感動しました」

「あ、ありがとう? ただ普通の家庭料理だけど……」

「でも、ご飯もべちゃべちゃじゃないし、ほうれん草も火が通ってるのに歯応えあります。

「いや、それ普通……」

「いえ! 僕家庭科の授業でお粥みたいな白米とペーストみたいなほうれん草食べました」

「そ……、そう」

「渚もね、クッキーは許してくれたけど、包丁持つとママが悲鳴をあげるの……家庭科でも殆ど触らせて貰ったこと無いし」

 成る程、確かにクッキーは計ったり、ふるったり面倒な工程は多いけど包丁はあんまり使わない? 授業に関しても、それって良くは無いよなぁって思うけど、同じ班になった子の気持ちは……共感力の低いと言われる私でも判ってしまった。

「だから、優穂ちゃん凄い! ちゃんと美味しい、私こんな風にお友達の作ってくれたご飯って初めて!」

 渚も楓君もにこにこしてて美味しそうに綺麗に食べてくれて、洗い物までしてくれた。

 喜びすぎだし感動しすぎとは思うけど、出したものを喜んでくれたのだから文句はない……だけど確か私たちもうそろそろ家庭科で調理実習は予定されてたはず、楓君も柊高(うち)に来るなら男子も調理実習はするわけで……このふたり、大丈夫かなって、ちょっと心配になったりも、した。

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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