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柊高校物語  作者: 萌葱
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わるだくみ

やっとここまで書けました。

今回ちょっと視点切り替わり有ります、この先ちょいちょい挟む形になるかと思います。

極力わかりにくくはならないよう気をつけますので、よろしくお願いします。


「なぁ、楓ちょっとわるだくみ有るんだが、のらねぇか?」

「言っときますが僕、受験生ですよ?」

「そんなん知ってる、だから聞いといてやろうと思ったんだ」

「何ですか?」

「楠とお前のイトコの問題、動かすとしたら受験前と後どっちが良い?」

「……っ!? 何とか、出来そうなんですか?」

「ああ、多分な? お前の協力は必要だが……あと、正直イトコがあいつを嫌いになったと思うか?」

「いいえ、全く! 結構強情なんで取り繕ってますが、引き摺ってるのバレバレですし」

「なら、勝率は悪くねぇと思う、とっちが良い?」

 聞いてくれる先輩は、今まで僕が思ってたよりは随分とお人好しだ。

 渚ちゃんの友達と渚ちゃんの家でニアミスしちゃった時、最近私達以外がここに来てないか? なんて探りを入れて来た時があって、それに僕が知らないですと答えた後聞こえてきたのは、勝ち誇ったような先輩を蔑むような発言……きっと先輩は嫌な思いをずっとしている筈なんだ。

 本当は切り札さえ有れば彼も早くなんとかしたいはず、なのに受験生の僕のことは気にしてくれて。

 だから、ここは、まっすぐ答えたいなって思った。

「今すぐでもokです、僕もいくらでも協力しますよ、受験のことは気にしなくて大丈夫です」

 きっぱりと、そう答えると、先輩はふっと笑って

「やっぱり爪隠していやがったか? かわいくねーなぁ……でも、感謝する、受験前にはかわりねぇ、できるだけ負担はかけねーし、教科で詰まったらいつでも答えてやる、だから(わり)ぃけど頼むな」

 僕の頭をくしゃっと撫ぜて笑うのに子供扱いかよって思ったけど、言葉には真摯な響きがあって、この先輩が優穂先輩のことを大事に思ってるんだなって言うのは、よく、判った。


「楠、今度のテストの後時間有るか?」

「ん? 大丈夫だよ」

「良かった、じゃ、ちょっと付き合ってくれ」

 今度の土曜日は月に1度の定期テストの日、塾の帰り際加賀にそう言われて、テストの後は3人でお昼食べることも有ったから早めに言ってくれたのは良かったけど……はて? お汁粉でも食べたくなったのかな?


 試験用紙が回収されるなり、加賀に急かされて詩織達との挨拶もそこそこに駐輪場へ向かえば、物置の倉庫の前のベンチで足を止め近くにあった自販機で温かいココアを買った……

「取りあえず座らねぇ?」

 有無を言わせずって空気でそれを私にくれて、促されるままに腰を下ろすと、少しホッとしたようにゆっくりひとつ息をついた。


「これで口出すのは最後にする、だから1回だけちゃんと答えてくれないか?」

 私をベンチに座らせて、自分は駐輪場へ続く道の方に立っているから、何となく逃げるなって言われている感じ?

「そもそも、だ、お前学校での、この騒動の原因はなんだと思ってる?」

 ……その話、か。

 長期の休みを挟んでも私の状況は余り変ってなくて、加奈子に笑顔でこのまま我慢続けるの? なんて言われたばかりだ。

 今日の加賀は珍しくからかいのない優しい色で私を見て、嫌な話題なのは判ってる、だけど最後にするからって、宥めるように声をかけてくれる、から

「価値観の相違かな……私が渚の望む付き合いを出来なかった」

「じゃぁ、そのただの価値観の相違が、何で周囲を巻き込む結果になってると?」

「渚の周りには彼女を好きで守りたいと思っている人がいっぱいいるから? その人達が私を嫌いだから……っていうのもあるかもしれないけど」

「なんで、お前はそれを甘んじて受ける? 言っておくがお前の周りにだって、お前を好きで友達をやってる奴は居るだろ? お前が止めるから動かないだけで」

「そんな事をしたら、渚も私の友達も傷つかないわけ無い! それを見たくない」

 すると、加賀はため息を付いて

「じゃぁさ、お前何で当人とすら話そうとしない? 誤解っぽい部分結構あるよな?」

 そう言われて、ぐっと詰まる……私の1番弱い部分。

この前聞かれたときも、どうしても口にすることは出来なかった言葉、だけど、この日の加賀の瞳はとても真剣で、もう逃げられないかなって思った。


「……怖いんだ」

「怖い? 何がだ?」

「渚の気持ちを聞くのが、傷つけてしまったのかもしれないけど、渚が嫌いだったわけじゃない、好きだから友達をやってきた、あの子の望む形には添えなかったかもしれないけれど、楽しかったんだ」

 はじめて、だったんだ、あんな風に甘えて、大好きって笑ってくれて……なのに、無くしちゃった。

「時々、渚が私をどう思ってるのかって考えるんだ、誤解があるにしたって、私と渚の違いが切っ掛けである以上、もう私のことは嫌いになっても仕方が無い、飲み込もうって……思うのに……渚が私を嫌いって言うのを、私は聞きたくない」

 弱くて、情けない本音、とうとう晒してしまったと俯くと、何やらバタバタと暴れて、駆け寄る足音が聞こえて

「優穂ちゃん!」

 突然、渚の声がして

「えっ?」

「ごめんっ! ごめんごめんなさいっ」

 泣きながら私に抱きついているのは、どう見ても渚で

「盗み聞きしちゃった、ごめんね?」

 後ろから楓君まで出てきて

「加賀?」

 何が起こったか薄々気がつきながら正面を向き直ると

「んー? ま、そーゆー訳だ」

 ちょっと困ったような顔をした加賀が私を見ていた。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

日曜日にひと休みと言うには切りどころが、何かCM前のような……。

ごめんなさい……月曜日には必ず! で、頑張ります。

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