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「そもそも、護衛に5人も必要なのが、問題だと思うの」
「しかし・・・」
リガルドは苦そうな表情をする。
「自衛する為の組織を作りたいの、
貴方たちが指導者になって、教育できないかしら?」
「自衛でございますか」
私はうなずく。
「王宮の騎士を目指している人とかいないかしら?」
かなり思いつきな意見だったが、
リガルドは大きく頷いてくれた。
「そうですね、騎士を目指すと言っても、
自分で鍛錬するか、師匠を探すしかありません、
師匠を探すと言っても、そう簡単ではありません。
我々が指導するとなると、強くなろうとする、
若者が集まるでしょうし、そうすれば、
戦力も一気に高まります」
「そうね、指導を受ける代わりに、
街の見回りをしてもらうと、治安も良くなるし、
場合によっては実践が積めるわ」
「いい考えです。しかし、
本気で騎士を目指す者は一握りでしょうから、
人数が限られてしまいます。
騎士を目指す者の他に、単に体を鍛えたい者も募集して、
鍛錬すれば、街全体の抑止力が高まります。
双方にメリットがありますし、
さっそくプランを練ってみます」
「よろしくね、詳しい事が決まったら教えて頂戴」
「かしこまりました」
こうして、自衛団が結成され、騎士を目指す若者は
ぐんぐん強くなり、精鋭達が、盗賊崩れを退治し、
治安は一気に良くなった。
そして、単に体を鍛えたい人の中には、意外にも女性も多く、
力を使わない護身術を教え、犯罪の被害はぐっと少なくなった。