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街へ出て散策する、びっくりしたのが、
護衛が5人もいる事、
そんなに治安が悪いのかと心配すると、
盗賊崩れが集団で襲う事があるらしく、
念の為と言う事だった。
街へ行き、店を見る、
一目で領主の娘であると分かるらしく、
身を小さくしてぺこぺこするので、
なんだかこちらが申し訳ない気分になる。
これは早めに帰った方がよさそうね・・・
そう思っていると、裸足で、
薄汚れた服を着た男の子が近づいてきた。
「お姉さん、お金持ち?パンいっぱいある?」
たどたどしく話す。
私はパンを5つ程買い、男の子に渡してあげた、
おそらく、孤児だろう。
しかし、この国では孤児は教会で保護され、
教育を受けているはず・・・
それが、パンを求めてくるとは・・・
これは調べる必要がありそうね、
と心の中で決意する。
そうそうに街を離れ、農地地帯を通りがかると、
一部作物が植えられていない地域があった。
「どうして、あそこでは作物を植えていないのかしら?」
馬車を止め、領民に聞くと、怒られたと思ったのか、
身をすくめ、謝りながら言葉を口にする。
「今年は雨が少なかったのです。
雨が多い年は育てられますが、
大抵の年は、放置されております・・・」
「そう、分かったわ」
確かに、作物が植えられていない土地は、
少し高台にある。
水が上手くいきわたらなかったのだろう。
この領地は決して貧しい訳ではない、
ただ、気候に左右されず、作物を育てられれば、
もっと領民は裕福になるはず・・・・
そう思いながら帰路についた。