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それまで食料難対策で王宮で働きづめだったが、
余裕ができ、学園に復帰した。
その際、母親の王妃の働きかけで、
学園に戻ったリリアーナ嬢に会う事にした。
自分の婚約者候補と言われている女性だし、
民に救いの手を差し伸べた家の令嬢だ、
お礼を言いたいと共に、興味があった。
今までは、王宮で挨拶程度で、
きちんと躾けられた人形ぐらいのイメージ
しかなかったが、実際に会ってみて、
頬を赤く染め、恥じらいながら、
それを悟られないようにと、
一生懸命な姿に、どんどん惹かれていった。
一緒にお茶をしていて、その所作に驚く、
もちろん、次期王妃として、
厳しい教育を受けている事は知っていたが、
紅茶を飲む姿だけでも、品を感じさせ、
知性の高さが伺い知れた。
今まで、エリーザに夢中だったのが、
嘘みたいに解けていく。
私は何をしていたのだ?
母親の王妃の言葉が、やっと自分に
突き刺さってきた。
それから、一週間毎に、彼女と会うように
なった。
心配なのは、彼女について悪い噂が、
どんどん流れている事。
もちろん調査はさせて、彼女が無実で
ある事は知っている。
しかし、貴族の頂点である、公爵令嬢である、
リリアーナ嬢の悪い噂が流れる事自体、
信じられなかったが、
ここが学園と言う、特殊な環境だからだろうか、
リリアーナ嬢は、特に焦るでも、困るでもなく、
ただ噂を流しているようだった、
何の対策もしない事に、疑問を持ちつつも、
優雅さを失わない姿に、これが王妃となる者の
余裕なのかと、ますます惚れる。
逆に、噂を流すよう仕向けている黒幕が、
エリーザだと分かって、
彼女への恋心は完全に消え失せた。