表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

3-7

時はあっと過ぎ、12月の卒業パーティ、

本来なら、私が断罪されるイベント。


しかし、王妃候補として、

欠席する事は許されない。


淡いピンクのドレスは可愛らしく、

しかし、全体に落ち着いたデザインの為、

大人びた雰囲気も持つ。


前世の私なら、お姫様!と飛び上がって

喜びそうだが、今はとてもそんな気になれない。

はあ、溜息をついてパーティに出席する。


ヒロインは・・・ハイ、睨んでますね。


そのまま私に近づき、話しかけてくる。


「王子に何をしたの?」


「ユリウス様に?」


「王子イベントは全てこなしたはずよ、

 なのに王子は全然私を好きにならない!」


この言葉に、ヒロインも転生者だったのかと

思い当たる。


そして、ユリウス様は攻略されていない?


そんな事を考えていると、

ヒロインの口がニヤリと歪む。


「でも、退場して頂戴」


ヒロインがそう言うと、誰かに背中を押される、


「きゃ!」


あわててバランスを取るも、よろけて、

ヒロインにぶつかってしまった。


その衝撃でヒロインのドレスに、

持っていたドリンクがかかる。


「きゃー!!ひどいわリリアーナ様!

 いくら私が嫌いだからって、

 ドレスにドリンクをかけるなんて!」


あまりにも酷い演技にあぜんとしながらも、

泣きまねをするヒロインを、

冷静に見つめる、


今までヒロインは避けてきた、

でも、私は公爵令嬢、王子を愛する者として、

ほおっておく訳にはいかない。


私は、泣きまねしているヒロインに、

王宮の侍女を呼んで、ドレスを変えるよう指示を出す。


「私がよろけてしまって、汚してしまったわ、

 お詫び致しますわ。


 しかし、王宮では嫉妬や駆け引きが、

 日常茶飯事の世界、


 少しの事で泣いているような者は、

 この世界では生きていけませんのよ。


 どんな毒にも、笑顔で流す度量が必要、

 覚えておきなさい」


毅然と言い放った私に、ヒロインが顔を赤くして、

わなわなと震えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ