表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/21

3-4

放課後、1人で本を読んでいると、

優しい声が降ってきた。


「お邪魔していいかな」


「王子!」


「まだ、王子なのかい?

 僕の事は名前で呼ぶよう言ったはずだけど?」


「申し訳ありません、ユリウス様」


そう言うだけで、心臓がどきどきする。


週に一度のお茶会の日ではないのに、

会えるなんて、ラッキーだわ。


「何の本を読んでいたのだい?」


「ええ、薬草の本です」


「どこか体が悪いのか!」


思わず大きな声を出した王子を、

落ち着かせる。


「いいえ、違います、

 薬草でも、栽培方法です」


本の表紙を見せ、王子はやっと落ち着いた

ようだった。


「それは良かった、でも何で栽培方法を?」


「孤児院ですが、簡単に育てられる薬草があれば、

 孤児達が育てて、体調の悪い村人に分ければ、

 孤児院も収入ができ感謝されますし、

 村人も健康で、一石二鳥かなと」


王子は感心した表情を見せる。


「そんな事、考えた事がなかったよ、

 確かに実現すれば、双方に利益がある」


真剣に考える王子を、頼もしく見る。


「しかし、君は教会の司祭を追い出した

 悪女と噂されていたが、この様子だと、

 そうした理由がありそうだね」


その噂は知っていたので、少し困った顔で、

微笑むだけに留める。


私が、教会を私物化していた司祭を罰した事を、

司祭が恨んでおり、教会と繋がりがある、

ヒロインの力になっているのは知っていた。


どこまでもついてまわる、ゲームの力に、

王子が影響されていない事はほっとしつつ、

それもいつまで続くのか、不安に襲われていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ